現在の日本では、AI技術が広く普及し、本来人間が行うべき作業をAIに委ねる機会は非常に増えています。実際にビジネスや私生活で活用されているAIの種類はさまざまですが、そのひとつとして画像生成AIを挙げることができます。
画像生成AIは、人間が入力したプロンプトに沿って画像を自動で生成してくれるAIを意味します。もし、人間がはじめから画像を作成する場合、とても時間がかかります。また、Webコンテンツの作成時など画像を活用する機会が多いため、すべて人間の手で作成していると効率的にマーケティングなどが行えません。一方、画像生成AIを活用すれば、素早く画像を生成し、コンテンツを充実させられるため、非常に便利です。
画像生成AIと一言で言っても数多くの種類がありますが、特に有名なのがAdobe Fireflyです。実際に、これからAdobe Fireflyを使うことを検討している人の中には、どのように使えばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか?
そこで、今回はAdobe Fireflyの概要や使い方、活用方法について解説します。
目次
Adobe Fireflyとは?
Adobe Fireflyとは、シンプルなテキストを入力するだけで画像を生成することができたり、オブジェクトの追加・削除及びテキストの変形など画像編集もできたりする画像生成AIです。PhotoshopやIllustratorなど画像及び動画編集ツールを数多く開発しているアメリカのAdobe社によって提供されています。Adobe Fireflyは、制作者が普段の会話で話す言葉とそのほかの入力情報を使ってさまざまな制作作業を簡単に行えるようにすることを目的に開発された画像生成AIです。
Adobe Fireflyは、人間がプロンプトを作成し、それを送信すれば画像を自動で生成することができます。また、ブラシなどを使用することでオブジェクトを削除したり、新しいオブジェクトを描画したりすることも可能です。そのほかにもテキストにテクチャーを加える、テキストからベクターを生成するなどさまざまな機能が搭載されています。
Adobe Fireflyの利用料金について
Adobe Fireflyには、無料とプレミアムプランが提供されています。無料プランでは、毎月25の生成クレジットを無料で利用することが可能です。そのため、生成する画像が少ないという方は、お金をかけずにAdobe Fireflyを使用することができます。
一方、プレミアムプランは月額680円でAdobe Fireflyを利用できるプランです。毎月100の生成クレジットを使えるだけでなく、Adobe Fonts無料プランを利用することもできます。
ちなみに、クレジットとはAdobeがユーザーに提供する通貨のようなものです。1クレジットで画像を1枚生成することができるため、無料プランの場合は25枚、プレミアムプランは100枚の画像を生成することができます。
また、AdobeではAdobe Fireflyだけでなく、幅広い製品を扱っているため、プランも豊富に提供されています。そのため、Adobe Firefly単体で契約しない場合でも生成クレジットが付与されることがあります。例えば、Adobe Creative Cloudをすでに契約している人は、料金を追加しなくても1,000回までAdobe Fireflyの機能を利用することが可能です。
Adobe Fireflyを活用する5つのメリット
Adobe Fireflyをビジネスシーンや私生活で活用すれば、さまざまなメリットを獲得することができます。具体的にどのようなメリットを得られるのか解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
権利関係が明確な画像のみを使用
1つ目のメリットは、権利関係が明確な画像のみを使用しているという点です。
AIが画像を生成するためには、事前にデータを学習しなければなりません。Adobe Fireflyはその学習データとしてAdobeが提供しているAdobe Stockや著作権切れのコンテンツのみを使用しています。これにより、Adobe Fireflyから生成される画像はどのような学習データに基づくものなのかが明確なため、個人だけでなく企業でも安心して利用することができるでしょう。
著作権侵害の心配が少ない
2つ目のメリットは、著作権侵害の心配が少ないという点です。
画像生成AIを活用する上で課題となりやすいのが著作権侵害の問題です。画像生成AIの著作権問題については画像生成AIを商用利用する際の注意点でも解説しますが、AIはコンテンツを生成するために学習データが必要です。例えば、インターネット上にある画像を学習データとして使用する場合、その中には著作権で保護されているものも少なくありません。もし、著作権で保護されている画像を学習データとして活用すると、画像生成をする際にそのデータが使用されるため著作権侵害になる恐れがあります。
一方、Adobe Fireflyは前述した通り、権利関係に透明性があり、著作権侵害の問題をクリアしています。また、Adobe Stockに投稿された画像をAdobe Fireflyで使用された場合、クリエイターに報酬が支払われる仕組みになっているため、トラブルが起こりづらい体制作りが行われています。これにより、ユーザーは安心してAdobe Fireflyを利用することができるでしょう。
商用利用ができる
3つ目のメリットは、商用利用することができるという点です。
Adobe Fireflyに限らず、画像生成AIの中には商用利用可能な製品はいくつか存在します。しかし、商用利用が可能であっても著作権侵害の懸念やどこから学習しているのかが公表されていないケースも珍しくありません。
一方、Adobe Fireflyは学習データに透明性があり、権利関係が明確になっています。また、著作権侵害の問題もクリアしている画像生成AIです。Adobe Fireflyは、単に商用利用可能というだけでなく、画像生成AIで懸念されやすい問題をしっかりと解決しているため、安心してビジネスの中で使用することができます。
AI倫理への配慮がある
4つ目のメリットは、AI倫理への配慮があるという点です。
AIは非常に優れた技術ですが、正しく使用しないと社会問題になる可能性があります。例えば、フェイク画像の生成などが挙げられるでしょう。
一方、Adobe Fireflyは権利侵害や差別の助長が行われないように配慮して設計されています。また、フェイク画像対策を目的としたコンテンツ認証イニシアチブという団体を主導し、1,200を超えるCAIメンバーとともに、誰がいつ作成したのかなどコンテンツの詳細を失うことなくデジタルコンテンツを共有する標準的な方法を作成してオンラインの信頼回復に専念しています。このように、Adobe FireflyにはAI倫理への配慮があるので、安心して利用することができる画像生成AIであるといえるでしょう。
Adobe製品との連携が可能
5つ目のメリットは、Adobe製品との連携が容易であるという点です。
Adobe Fireflyは、Adobe社が開発した画像生成AIです。そのため、IllustratorやPremiere Pro、Photoshopなどと連携することができます。これにより、画像や動画制作時の利便性が向上するため、Adobeユーザーに大きなメリットがあるといえるでしょう。
Adobe Fireflyの使い方
Adobe Fireflyは、使い方が非常に簡単でデザイン制作の経験が少ない方やAIを活用したことがない人でも利用することができます。ここでは、Adobe Fireflyへのアクセス方法やプロンプトの活用方法など具体的な使い方について解説しますので、使い方がわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
Adobe Fireflyへアクセスする
Adobe Fireflyは下記のURLからアクセスすることができます。
ログインが完了したら、『Fireflyを無料で始める』のボタンをクリックします。
ユーザーガイドラインへの同意を促されますので、『同意する』のボタンをクリックします。
以上で、Adobe Fireflyへ無事アクセスすることができました。
Adobe Fireflyで画像を生成する
Adobe Fireflyで画像を生成するときは、下記の画像の赤枠部分に生成したい画像の特徴を入力して、『生成』ボタンをクリックするだけです。
実際に、『日本の美しい風景』と入力してAdobe Fireflyで画像を生成しました。結果はこのように4枚の日本の美しい風景が生成されました。
また、左メニューからアートを選択し、生成ボタンを再度クリックします。
すると、このようにイラストで画像を出力させることもできます。
このように、Adobe Fireflyを使用して画像生成することは非常に簡単なので、興味がある方は実際にAdobe Fireflyを利用してみてはいかがでしょうか?
Adobe Fireflyの活用方法について
Adobe Fireflyは非常に便利な画像生成AIであり、さまざまなシーンで活用することができます。ここでは、具体的にAdobe Fireflyの活用方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
イメージに合う画像がない場合にAdobe Fireflyを活用して画像を生成する
1つ目の活用方法としては、イメージに合う画像が見つからないときです。
Webコンテンツ制作など、画像をインターネットから選ぶ機会は少なくありません。それぞれの制作者で画像の入手先は変化しますが、画像ダウンロードサイトでWebコンテンツに合う画像を探しているときに、なかなかイメージに合うものが見つからないという事態に陥った経験がある方も少なくないでしょう。そのようなときにAdobe Fireflyを活用すれば、イメージに合う画像を言葉で表現してAIに生成させることができます。画像を探す時間が短縮される可能性もあるので、Adobe Fireflyの活用方法としておすすめです。
資料の挿絵を生成するときに活用する
2つ目の活用方法は、資料の挿絵の生成です。
資料の説明をわかりやすくするために、挿絵を活用するという方も多いのではないでしょうか?しかし、挿絵を一から作成していると非常に時間がかかります。この場合、作業効率が悪くなるため、非常に不便です。
一方、Adobe Fireflyを活用すれば、挿絵に最適な画像を言葉で表現してAIに生成してもらうことができます。また、画像の生成は自動で行われるため、資料作成の手間を大幅に削減することが可能です。さらに、Adobe Fireflyは著作権の心配が少なく、商用利用も可能なため、ビジネスシーンでも気軽に活用することができるという点がメリットになるでしょう。
他人にイメージを共有する際に活用する
3つ目の活用方法は、他人にイメージを共有するときです。
例えば、デザインを発注する際、どのようなイメージのデザインを発注したいのか言葉で細かく説明したとしても相手に伝われないことがあります。言葉だけでは認識を共有することは難しく、そのまま発注してしまうと自分が思い描くイメージとは異なったデザインが仕上がってしまうというケースも珍しくありません。
このようなデザイン発注時など、イメージを共有したいときにAdobe Fireflyを活用すれば、手軽に発注したい内容を視覚的に伝えることができます。これにより、発注者側と受注者側の認識を一致させることができるので、非常に便利です。
画像生成AIを商用利用する際の2つの注意点
このように、画像生成AIは非常に便利なツールであり、さまざまな場面で活用することができます。しかし、画像生成AIで出力した画像を商用利用する際にはいくつかの注意点があります。そこで、最後に商用利用する際の注意点を2つ紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
商用利用可能な画像生成AIを選択する
1つ目の注意点は、商用利用可能な画像生成AIを選択することです。
Adobe Fireflyは商用利用することができます。しかし、そのほかの画像生成AIの中には商用利用不可なサービスも少なくありません。例えば、商用利用ができない画像生成AIとして、Bing Image Creatorや無料版のMidjourneyなどが挙げられます。このような画像生成AIを使用すると著作権侵害が懸念される画像を使用してしまうことになるので注意が必要です。
著作権の観点で安心な画像生成AIを選ぶ
2つ目は、著作権の観点から安心な画像生成AIを選ぶことです。
前述した通り、Adobe Fireflyは権利関係が明確なため、著作権侵害しないように配慮されていることがわかります。しかし、ほかの画像生成AIの中には、なぜ著作権侵害にならないのかが明確に公表されていないものも少なくありません。商用利用する際、そのような画像生成AIから出力された画像を使用してしまうとトラブルに発展する恐れがあるので、商用利用する前に必ず確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、Adobe Fireflyの概要やメリット、使い方や活用方法について詳しく解説しました。Adobe FireflyはAdobe Stockと著作権フリーの画像のみを学習しているため、著作権侵害への配慮が十分になされている画像生成AIです。また、商用利用も可能なため、ビジネスシーンでも活用しやすいという点がメリットになります。さらに、毎月25枚の画像生成であれば無料で利用することができるので、画像生成AIを試してみたいという方は、Adobe Fireflyの活用を検討してみてはいかがでしょうか?
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