現在、生成AIはさまざまなコンテンツを作成できるようになっています。従来においては、プロンプトを作成し、テキストを生成してもらうのが一般的でした。例えば、『AIについて簡潔に説明してください。』というプロンプトを送信すると、AIとの会話でのやり取りからテキスト形式で回答を得るという形が通常の使い方となっています。
しかし、現在はテキストだけでなく、画像や動画などさまざまなコンテンツを生成することができます。特に、生成AIの最先端として動画生成が注目されており、多くの人が熱い視線を注いでいます。もし、AIで動画を自動生成することができれば、YouTube動画の素材などを簡単に作ることができたり、プロモーション動画制作の手間が大幅に減ったりするので、動画制作をする人にとって大きなメリットがあるといえます。
すでに、動画生成AIサービスの種類は非常にたくさんありますが、その中でもPikaはインターネットやSNSで盛り上がりを見せたサービスです。実際に、Pikaについて詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はPikaの概要や特徴、使い方などについて詳しく解説します。
目次
Pikaとは?
Pikaとは、オンライン上で動画生成ができるAIプラットフォームです。動画生成AIで有名なRunwayと同様にテキストからの動画生成や画像からの動画生成、動画からの動画生成ができます。ほかのツールにも提供されている基本機能が利用できるだけでなく、高品質な動画生成ができるため、AIから生成される動画でも一定のクオリティを担保したいという方に好まれやすいです。また、UIがシンプルなため、生成AIに慣れていないという方でも操作に迷うことなく使用することができます。
Pikaには、大まかにわけてPika1.0とPika1.5の2種類のバージョンがあります。Pika1.0は、2023年12月から利用できるようになったバージョンです。自分の想像通りの動画制作が可能で、3Dアニメーションやカートゥーンなどの多種多様な動画制作ができます。
一方、Pika1.5はPikaの最新バージョンです。Pika1.0から進化した最新のモデルとして2024年10月2日にリリースされました。Pika1.0よりもさらに高品質な動画を生成できるようになったモデルです。Pika1.5は、プロンプトを使用しなくても映像にユニークな効果を与えることができるPikaeffectが搭載されています。また、プロのカメラマンが映画撮影で行うようなカメラの動きを再現した画角を適用させることも可能です。
現在の最新バージョンはPika1.5となりますが、今後はPika2.0やPika3.0などアップデートが繰り返され、さらに品質の向上や機能の追加などを期待することができるでしょう。
Pikaの料金体系について
Pikaには、大まかにわけて下記の4つのプランが提供されています。
- Basic
- Standard
- Pro
- Unlimited
PikaのBasicプランは、無料で提供されているため、月額費用がかかりません。月間ビデオクレジットは、150付与されます。1動画の作成に15クレジットが消費されるため、約10動画の作成が可能です。しかし、Basicプランは追加で月間ビデオクレジットを購入することができません。また、透かしのない動画ダウンロードができないことや商用利用が不可となっているため、たくさん動画を生成したい方やビジネスの中でPikaから生成された動画を活用したいという方は、有料プランに加入する必要があります。
PikaのStandardは、透かしなしの動画のダウンロードや商用利用はできませんが、月間ビデオクレジットの購入が可能です。また、一か月に付与されるクレジットは700となるため、Basicプランよりもたくさんの動画を生成することができます。
PikaのProプランやUnlimitedプランから商用利用や透かし無しの動画のダウンロードが可能になります。また、付与されるクレジット数も多くなるので本格的にPikaを利用したいという方は、Proプラン以上の利用がおすすめです。各プランの詳しい料金などについては下記の表でまとめました。プランを比較して自分に合ったものを選択したいという方は、ぜひ参考にしてください。
Pikaが持つ3つの特徴
Pikaには、大まかにわけて3つの特徴があります。それぞれの特徴について詳しく解説しますので、利用を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
文章や画像から動画を生成できる
1つ目の特徴は、文章や画像から高品質の動画を生成することができるという点です。
Pika1.5を使用すれば、テキストや画像から約5秒の動画を生成することができます。単に映像が生成されるだけでなく、音も入るようになっているので、生成された動画はそのまま素材として使用することが可能です。人間が制作するよりも時間を短縮することができ、さらにコストも安くなるので、Pikaの最大の魅力といえます。
無料で利用することができる
2つ目の特徴は、無料で利用することができるという点です。
前述した通り、Pikaには無料で使えるBasicプランが提供されているため、高品質な動画を無料で生成することができます。
Basicプランは付与されるクレジット数が少なかったり、Pikaというウォーターマークが動画の中に付与されていたりするというデメリットがあります。しかし、どのような機能があるのか試すことができるだけでなく、実際にプロンプトから生成される動画も確認することができるので、Pikaを試してからプランを契約したいという方におすすめです。
Pikaffectで誰でも簡単に動画生成ができる
3つ目の特徴は、Pikaffectという機能が搭載されているという点です。
Pikaffectは、Pika1.5から実装された機能で、これにより特殊効果を付与した動画を誰でも生成することができるようになりました。例えば、Pikaffectを使用すれば、膨らませたり、爆発させたりするなどの効果を付与することができます。また、操作はワンクリックするだけなので、誰でも簡単に特殊効果をつけることが可能です。
Pikaの活用例3選
Pikaをどのように活用すればいいのか気になる方も少なくないでしょう。実際に、Pikaはさまざまな場面で利用されており、うまく活用すれば数多くのメリットを獲得することができます。ここでは、具体的にPikaの活用例について解説しますので、動画制作にAIの活用を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。
教育分野での活用
1つ目は、教育分野での活用です。
Pikaを教育分野に活用することで、生徒の理解を深めることができます。例えば、歴史上の重要な場面を再現した動画をPikaで生成すれば、歴史的な出来事を視覚化することが可能です。テキストだけでは想像できないことも動画を見れば生徒がその出来事をイメージしやすくなるため、理解を深めることができます。
また、遠隔地の生態系や過去の文明を再現した環境を動画にしたり、科学的な概念をPikaで視覚化したりすることで、理解しづらい複雑な概念を生徒が把握しやすくなります。
このように、Pikaを教育分野で活用すれば、教育効果の高い教材を生徒に提供することができるので、その点に大きなメリットがあるといえるでしょう。
プロモーション動画制作
2つ目は、プロモーション動画制作に活用することです。
企業のマーケティング活動の中で、プロモーション動画制作は必須となりますが、Pikaを活用することでその作業を効率化することができます。例えば、Pikaを使用することで、ターゲット層に適した動画内容に変更したり、A/Bテストが容易になったりします。これにより、最適な動画制作プロセスの確率を実現することが可能です。また、Pikaが生成した動画をベースに創造的な作品を作成することもできるため、アイデア出しなどにも活用することができるでしょう。
プライベートでの利用
3つ目は、プライベートでの利用です。
Pikaはプライベートでの利用においても思い出作りや特別なイベントの演出に活用することができます。例えば、結婚式での思い出の映像制作やパーティー・セレモニーの事前イメージ、家族の歴史や思い出をアニメーション化した新しい形のアルバム制作などです。
Pikaをうまく活用すれば、ビジネスだけでなく、プライベートにおいても豊かにすることができるので、さまざまなシーンで利用することができるでしょう。
Pikaの始め方と使い方
次に、Pikaの始め方と使い方について解説します。アカウントの作成手順やPikaで動画生成するまでの流れを紹介しますので、これから使用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
Pikaのアカウントを作成する手順
Pikaのアカウントを作成するまでの手順は下記の通りです。
1.アカウントを作成するためには、Pikaの公式サイトにアクセスする必要があります。そのため、まずは下記のURLにアクセスしてください。
2.公式サイトにアクセスできたら、右上にある『Sign in』のボタンをクリックします。
3.どのようなアカウントで作成するのかを尋ねられます。今回は、Googleでアカウントを作成しましたが、それぞれの人でアカウント作成方法は異なりますので、最適なものを選択するようにしましょう。
4.アカウントの作成が完了するとオファーページに遷移します。今回は無料プランで使用したいので、右上の『Skip Offer』をクリックします。
5.そうするとPikaのホーム画面に遷移するので、これでPikaのアカウントを作成する手順は以上です。
Pikaで動画を生成するまでの手順
次に、Pikaで実際に動画を生成するまでの手順について解説します。具体的な流れは下記の通りです。
1.動画を生成するときは、まずPikaのホーム画面の下記にある入力フォームでプロンプトを作成します。
2.今回、日本のクリスマスを表現する動画を作成していきます。Pikaは日本語ではなく、英語で入力する必要があるため、プロンプトの入力フォームに『Create a video that represents Christmas in Japan.』と入力しました。もちろん、それぞれの人で制作したい動画は異なるため、翻訳サイトなどをうまく活用しながら最適なプロンプトを入力してください。その後に、Enterを押すことで動画が生成されます。
3.また、下記の画像の赤枠から画像を添付して、その画像をもとに動画を作成することも可能です。
4.これで、Pikaを使用して動画を生成する手順は以上です。
Pikaを使用する際に注意したいポイント
Pikaを使用する際には、いくつかの点に注意する必要があります。ここでは、注意すべきポイントをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
商用利用をする際は適切なプランを契約する
1つ目は、商用利用する際は適切なプランを契約することです。
Pikaは、Proプランから商用利用が可能になるため、それよりも下位のプランで契約して生成した動画をビジネスの中で使用してしまうとガイドラインに違反する恐れがあります。そのため、必ず商用利用をするという方は、Proプラン以上に加入してから生成した動画を使用するようにしましょう。
Standardプランまでウォーターマークが表示される
2つ目は、Standardプランまでウォーターマークが表示されるという点です。
ウォーターマークが表示されると動画に『Pika』の文字が入るため、その動画を公開して使用することが難しくなります。プライベートやアイデア出しのみに使用するなら問題ありませんが、プロモーション動画やYouTubeの素材として使用することはできないため、ウォーターマークを非表示にしたいという方は、Proプランに加入するのがおすすめです。
Discord版は生成された動画が公開される
3つ目は、Discord版で生成した動画は公開されるという点です。
Pikaは、公式サイトだけでなく、Discordで動画を生成することもできます。Discord版で動画を生成すると、そのDiscord上に生成された動画は参加しているすべての人に公開されるため、閲覧できてしまいます。そのため、Discord版でPikaを使用する場合は個人情報や著作物のアップはしないように注意が必要です。
まとめ
今回は、Pikaの概要や特徴、使い方について詳しく解説しました。Pikaは、テキストや画像などから動画を生成することができる動画生成プラットフォームです。うまく活用することで動画制作の手間を大幅に削減することができるので、プロモーション動画などを制作する機会がある方は、活用するとメリットを感じられます。しかし、商用利用をする場合は、Proプラン以上に加入する必要があるので、その点は注意するようにしましょう。
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