Gemini Code Assistの使い方を画像付きで解説
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現在、対話型AIサービスはさまざまなシーンで活用されています。例えば、わからないことや知りたいことを調べたいときにチャット形式で質問して情報を提供してもらうことが可能です。また、対話型AIは生成AIとして使用することができるため、ブログの記事を作成する際、そのタイトルに合った内容を出力してもらうこともできます。さらに、現在は画像を出力することができるAIサービスが増えているため、出力して欲しい画像を説明してPNG形式でダウンロードすることも可能です。
そのほかにも対話型AIサービスの中には、プログラミングを得意とするサービスが非常に多いです。例えば、実装したい機能を伝えることで、そのコードを生成してもらえたり、バグを修正してもらえたりします。実際にコーディングをする際に、すでに対話型AIサービスをうまく活用している方も多いのではないでしょうか?そのようなエンジニアやプログラマに今回おすすめしたいサービスがGemini Code Assistです。実際に、Gemini Code Assistを知っている方や使ってみようと思われている人もいるのではないでしょうか?
そこで、今回はGemini Code Assistの概要や使い方について詳しく解説します。
目次
Gemini Code Assistとは?
Gemini Code Assistとは、Googleが提供している対話型AIサービス『Gemini』を活用したコーディング支援ツールのことです。Googleの最新モデルGeminiを採用し、Duet AI for Developersの進化版となります。Duet AI for Developersは、VS CodeやIntelliJなどのコードエディタやIDE、Cloud Shell EditorやCloud WorkstationsなどのGoogleが提供するサービスで利用可能です。そして、今回のGemini Code Assistに関してもVS Codeなどで使用するのが一般的となります。
ちなみに、GeminiとはGoogleが提供している対話型AIサービスです。元々、Geminiは2023年2月にBardとして発表され2024年2月8日にサービス名がBardからGeminiに変更されました。対話型AIサービスとして非常に有名なのがChatGPTですが、Geminiはその対抗馬のような位置付けとなっています。Geminiは、自然言語での対話が可能であり、検索や翻訳、要約、コード生成などさまざまな用途で使用することが可能です。また、画像入力及び生成が可能であり、テキスト以外のコンテンツも扱うことができます。さらに、高性能な対話型AIとなりますが、無料で利用できる点も大きなメリットです。
Gemini Code Assistには、Googleが提供する高性能の対話型AIサービス『Gemini』が搭載されており、VS CodeにGemini Code Assistをインストールすることで、コーディング支援を受けることができます。WebアプリケーションのGeminiを立ち上げてコーディング支援を受けるよりも利便性が大幅に向上するため、多くのエンジニアやプログラマに注目されているサービスです。
Gemini Code Assistが持つ3つの特徴
Gemini Code Assistは、大まかにわけて3つの特徴を持ちます。具体的にどのような特徴があるのかについて解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
自然言語処理によるコード生成
1つ目の特徴は、自然言語処理によるコード生成ができるという点です。
Gemini Code Assistは、Google Cloudの生成AI技術が搭載されているサービスです。そのため、自然言語処理によってコードを生成することができます。
自然言語処理によってコードを生成するとは、普段人間が行っている会話でコードが生成できることを意味します。例えば、開発者が『Webフォームのコードを出力してください。』というプロンプトをGemini Code Assistに送信すると、その機能を実現するコードを出力することが可能です。簡単な説明や要件を入力するだけでGemini Code Assistが適切なコードを出力してくれるため、開発者はその生成されたコードをニーズに合わせて変更したり、不足しているコードを付け加えたりするだけで、実装が完了します。はじめから開発者がコードを打ち込まなくても済むため、開発効率が大幅に向上するでしょう。
リアルタイムのコードレビュー
2つ目の特徴は、リアルタイムのコードレビューができるという点です。
Gemini Code Assistは、VS Codeの拡張機能を利用してインストールするため、コーティング中にリアルタイムでレビューしてもらうことができます。通常、対話型AIサービスを利用してコードのレビューをお願いする場合、一度コードをAI側に送信しなければなりません。開発しているサービスによってはコードが数百行にも及ぶケースがあるため、対話型AIとのやり取りがしづらいという場合もあるでしょう。しかし、Gemini Code Assistであれば、コードをフォームに貼り付けて送信する必要がないため、非常に使いやすいです。
Gemini Code Assistのコードレビューでは、潜在的な問題やエラーを検出することができます。これにより、開発者はコーディングの途中で問題を修正することができるので、品質向上などを期待することができるでしょう。
エラー検出と修正提案が可能
3つ目の特徴は、エラーの検出と修正提案ができるという点です。
Gemini Code Assistは、コードの構文エラーや倫理エラーを検出して修正提案を行うことができます。開発者は、Gemini Code Assistが提案した内容に従って修正するだけでエラーを解決することができるため、コーディングの効率を大幅に向上させることが可能です。
実際に、コーディングをしていると、なぜエラーが出ているのかわからなかったり、どのように修正すればいいのかわからなかったりするケースは珍しくありません。Gemini Code Assistがあることで、コーディングでありがちなこれらの課題を解決することができるので、利便性を感じられる方も多いのではないでしょうか?
Gemini Code Assistの使い方
次に、Gemini Code Assistの使い方について解説します。それぞれの使い方を手順にわけて詳しくご紹介していきますので、今までGemini Code Assistを使用したことがない方や使い方がわからないという人は、ぜひチェックしてみてください。
使い方①「VS CodeにGemini Code Assistをインストールする」
Gemini Code Assistを使用するためには、VS CodeにGemini Code Assistをインストールする必要があります。VS CodeにGemini Code Assistをインストールする手順は下記の通りです。
1.はじめに、VS Codeを立ち上げて、サイドメニューにある『Extensions』をクリックします。Extensionsのマーケットプレイスが表示されるため、上部の入力フォームに『Gemini』と入力します。そうすると候補の中にGemini Code Assistが表示されるため、それをインストールしてください。
2.インストールが完了するとWelcomeページが開きます。そのページの中にある『Get Started』ボタンをクリックすると、Google Cloudへログインするように促されますので、左側にある『Login to Google Cloud』ボタンをクリックしてください。
3.ブラウザが起動し、下記のようにアカウントを選択するように促されます。自身が使用したいアカウントを選択し、それをクリックしてください。
4.『このアプリをGoogleからダウンロードしたことをご確認ください』というページに遷移します。内容を確認して問題なければ『ログイン』ボタンをクリックします。
5.『Cloud Code for VS Code がアカウントにアクセスできるようになりました』というページに遷移したら、Gemini Code Assistのログインは完了です。
使い方②「Gemini Code Assistのチャットからコードを生成する」
Gemini Code Assistにログインすることができたので、次はGemini Code Assistのチャットを使用してコードを生成していきます。Gemini Code Assistを使用してコードを生成する手順は下記の通りです。
1.今回は、簡単なチュートリアルとなるため、Pythonで『Hello World』と出力するコードをGemini Code Assistに生成してもらいます。Enter a Prompt hereと書かれた入力フォームに『PythonでHello Worldと出力するコードを生成してください。』と入力すると下記の画像のような回答を得ることができました。
2.今回は簡単な例となりましたが、Gemini Code Assistではもっと複雑なコードも出力することができます。また、下記の画像にある『+』ボタンをクリックするとGemini Code Assistが出力したコードを右側のエディタで開いているファイルに挿入してもらうことも可能です。
使い方③「Gemini Code Assistにコードの説明をしてもらう」
Gemini Code Assistはコードを出力するだけでなく、書かれているコードを説明してもらうこともできます。Gemini Code Assistにコードを説明してもらう方法は下記の通りです。
1. Gemini Code Assistにコードの説明をしてもらう方法は、はじめに説明して欲しいコードを選択し、その状態でプロンプトに『このコードを説明してください。』と入力するだけです。
2.そうすると、下記の画像のようにコードを細かく説明してくれます。実際に、コーディングのときは、オープンソースを閲覧したり、他人が書いたコードを使ったりするケースも多いです。自分が書いていないコードは理解するまでに時間がかかることがありますが、Gemini Code Assistを使用すれば、一行一行のコードが何を意味するのか素早く解説してくれるため、非常に便利です。
使い方④「ユニットテストを作成する」
次は、Gemini Code Assistでユニットテストを作成する使い方を解説します。ユニットテストを作成するための使い方をチェックしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
1. Gemini Code Assistでユニットテストを作成する際は、コードを選択してプロンプトを入力するフォームに『Generate unit test』と入力して送信するだけです。
2.実際に、『Generate unit test』と入力して送信すると下記の画像のようにテストコードが出力されました。
使い方⑤「コードを読みやすくする」
Gemini Code Assistでコードを読みやすくすることもできます。コードを読みやすくするために具体的な使い方は下記の通りです。
1.コードを説明してもらう使い方やユニットテストを作成する使い方と同様に、コードを読みやすくしてもらう際は、読みやすくしたいコードを選択して『Make my code more readable』と入力します。
2.今回選択したコードは、単にHello Worldと出力させるものですが、そのようなコードであってもコメントを追加するなど、コードを読みやすいように工夫してくれます。
Gemini Code Assistの使い方で注意したいポイント
Gemini Code Assistの使い方について詳しく解説しましたが、実際に業務などで活用する前にいくつかの注意点をチェックしておくのがおすすめです。使い方だけでなく注意点もしっかりと把握することで、正しい使い方ができるようになるため、ぜひ参考にしてください。
コードの品質に注意する
1つ目の注意点は、コードの品質です。
Gemini Code Assistは、自然言語処理によってコードを生成することができるAIサービスです。しかし、常に完全なコードを生成し続けるわけではありません。
例えば、Gemini Code Assistが生成したコードの中には、正確に動作しないものもあります。また、リファレンスには存在しないメソッドや列挙型などを使用してしまうケースも珍しくありません。そのため、万が一動作しない場合は自分でその原因を突き止めたり、エラーを修正したりする必要があります。
悪意のあるコードが生成される可能性がある
2つ目の注意点は、悪意のあるコードを生成する可能性があるという点です。
Gemini Code Assistのコード生成は、公開されているコードやライブラリを学習することによって実現しています。そのため、公開されているコードやライブラリの中に悪意のあるコードが含まれる場合であってもそのままそのコードを使用してしまう可能性が高いです。
Gemini Code Assistから出力されたコードを変更しないまま使用してしまうと脆弱性のあるプログラムになる危険性もあります。そのため、生成されたコードを使用する場合は、セキュリティ上の脆弱性がないかを注意深く確認する必要があるでしょう。
利用規約をしっかりと確認する
3つ目の注意点は、利用規約をしっかりと確認することです。
Gemini Code Assistには利用規約があるため、使用する際はその利用規約を守る必要があります。例えば、Gemini Code Assistではスパムやマルウェア、その他の悪意のあるコードを生成することは禁止されています。また、他社の著作権や商標、知的財産を侵害する行為も禁止されているため、十分に注意する必要があります。もし、利用規約違反が発覚した場合、アカウントの停止などの措置がとられることがあるため、必ず利用規約を守って使うようにしてください。
まとめ
今回は、Gemini Code Assistの使い方などについて詳しく解説しました。使い方を知ることで、VS Codeの中でGemini Code Assistをスムーズに活用することができるようになります。そのため、ご紹介した使い方をしっかりとマスターして、コーディングの効率を高めるようにしましょう。また、使い方を知るだけでなく、Gemini Code Assistには利用規約があります。利用規約を守って使用しないとアカウントを停止させられる可能性もあるため、正しい使い方を心がけるようにしましょう。
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