現在、ビジネスシーンやプライベートなどさまざまな場面で生成AIサービスは活用されています。生成AIは、人間とコミュニケーションを取りながらテキストなどを生成するツールで、AIから送信されるコンテンツは資料作成やブログ記事など幅広いシーンで使用することが可能です。コンテンツ制作や情報収集の際に便利なため、非常に注目を集めているサービスといえます。
そして、現在はテキストだけでなく、画像を生成することができるAIサービスも存在しています。その代表的なサービスとして、ImageFXを挙げることができるでしょう。ImageFXは、Googleアカウントを所有していれば誰でも簡単に利用できるため非常に便利です。実際に、『ImageFXを使用してみたい』、『どのようなサービスなのか知りたい』という方もいるのではないでしょうか?
そこで、今回はImageFXの概要や使い方、注意点について詳しく解説します。
目次
ImageFXとは?
ImageFXとは、人間が作成したプロンプトから高品質な画像を短時間で生成してくれる無料の画像生成AIです。検索エンジンなどを開発・提供しているGoogleによって提供されているサービスになります。
ImageFXは、Googleのアカウントがあれば誰でも利用することができます。また、ほかの画像生成AIサービスに比べて質感やしわなど細部にまでリアルに再現できるのが特徴です。そのため、実際に撮影した写真と区別がつきづらく、非常に高品質な画像を生成してもらうことができます。
ImageFXは、最新のImagen3モデルが採用されています。テキストの文脈やスタイルを深く理解し、精密な画像生成の実現が可能です。また、ブラウザーベースの画像生成AIになるため、ソフトウェアを別途インストールする必要がなく、スムーズに利用を開始できる点もImageFXの利点といえます。
ImageFXの料金について
ImageFXは、完全に無料で利用することができる画像生成AIです。そのため、月額プランなどに加入する必要がなく、誰でも気軽に利用することができます。また、ほかの画像生成AIサービスのように有料プランが提供されているわけではないため、無料プランにありがちな機能制限も設けられていません。
ImageFXの特徴4選
ImageFXの特徴は大まかにわけて4つあります。それぞれの特徴について詳しく解説しますので、ImageFXがどのような画像生成AIなのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
リアルな画像生成が可能
1つ目の特徴は、リアルな画像生成の実現が可能という点です。
現在、ImageFXのほかにも画像生成AIサービスは複数ありますが、サービスの中にはハルシネーションが課題として挙げられることがあります。ハルシネーションとは、AIが事実とは異なる情報や幻覚のような情報を生成してしまう現象を意味します。例えば、画像生成AIの場合、人間が写し出された画像であるにもかかわらず、指が変形していたり、5本指ではなかったりする人間の画像が生成されてしまう現象がハルシネーションです。当然、事実とは異なる画像を生成してしまうとそれをコンテンツの中で使用することはできないため、現実的に活用することが難しくなります。
一方、ImageFXは画像生成AIで取り上げられるハルシネーションの課題を解決しており、リアルな画像を生成してくれます。人間の顔や肌の質感、髪の毛の細部まで正確に表現されているケースが多く、画像によっては本物の画像と見分けがつかないものも少なくありません。このように、ImageFXはハルシネーションを克服しており、画像がリアルなので、その点が大きな特徴のひとつといえます。
高度なプロンプトも理解できる
2つ目の特徴は、高度なプロンプトを理解することができるという点です。
Stable DiffusionやMidjourneyなどは画像生成AIとして非常に有名ですが、プロンプトを英単語ごとに区切る必要があるため、英語を母国語としない日本人にとって使いづらさがありました。一方、ImageFXは自然言語を高度に理解し、それを忠実に表現することができます。そのため、長文や複雑な文章のプロンプト、抽象的な概念が含まれる文言の場合でも対応することが可能です。これにより、ImageFXを使用するユーザーが具体的かつ明確な指示を与えなくても思い通りに近い画像を生成することができるので、その点がほかの画像生成AIサービスとの違いであり、大きな特徴のひとつとなります。
優れたUI
3つ目の特徴は、優れたUIが採用されているという点です。
画像生成AIサービスとしてStable DiffusionやMidjourneyなどが有名なツールになりますが、これらのサービスを利用するためには環境構築などが必要になります。例えば、Stable Diffusionの場合、自身が作成した環境にStable Diffusionをインストールしたり、プログラムコードを書きこんだりしなければなりません。また、MidjourneyはDiscordとアカウントを紐づける必要があります。このように、従来から利用される画像生成AIサービスは、利用方法が複雑であり、一般ユーザーにとってはハードルが高く感じられるケースが多かったです。
一方、ImageFXはGoogleのアカウントがあれば誰でも利用することができます。また、直感的なUIが採用されているため、はじめてAIツールを利用する人でも簡単にリアルな画像を生成することが可能です。さらに、画像の部分修正機能やプロンプトのレコメンド機能など、イメージ通りの画像出力を実現できる機能も十分に備わっているため、ImageFXは多くの人がイメージ通りの画像を簡単に生成することができる画像生成AIサービスであるといえます。
SynthIDの利用が可能
3つ目の特徴は、SynthIDの利用ができるという点です。
ImageFXは、さまざまな機能が搭載されている画像生成AIサービスですが、その中のひとつにSynthIDが挙げられます。SynthIDは、Google Cloudによって開発された機能で、視覚的には見ることができないデジタル透かしを画像に加えてAI生成コンテンツであることを識別できるようにしています。
SynthIDは、画像を編集で消すことはできないため、デジタル透かしを画像の中に保持し続けることが可能です。これにより、フェイク画像の拡散リスクを軽減したり、AI技術の透明性と信頼性を確保したりすることができます。
ImageFXの具体的な使い方
次に、ImageFXの具体的な使い方について詳しく解説します。ImageFXの始め方やImageFXを使用してプロンプトを送信し、画像生成するまでの流れについて紹介していますので、ImageFXの活用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
ImageFXの始め方
ImageFXを使用するためには、ImageFXにGoogleアカウントでログインする必要があります。具体的な手順は下記の通りです。
1. ImageFXを始めるためには、まず公式サイトにアクセスする必要があります。そのため、下記のURLをクリックし、ImageFXの公式ページに遷移してください。
ImageFXの公式ページ
2.公式サイトに遷移することができたら、右上にある『Googleでログイン』をクリックします。
3.『ようこそAI Test Kitchen』というページが表示されます。画面中央の『ログイン』ボタンをクリックしてください。
4.その後に、利用規約などに同意するとプロンプトを入力することができる画面に遷移します。以上でImageFXの始め方の解説は完了です。
ImageFXでプロンプトから画像生成する方法
次に、ImageFXでプロンプトを送信し、画像を生成するまでの流れを解説します。具体的な手順は下記の通りです。
1.画面の左部分の英語が書かれた入力欄にプロンプトを打ち込んでいきます。
2.2024年9月時点においてImageFXの日本語の理解は十分ではないため、できる限り英語で記述するのがおすすめです。英語の記述ができないという方は、翻訳サイトなどを利用して正確に日本語を英語に変換してください。
3.この解説では日本の風景の画像を生成したいと思います。そのため、今回は入力欄に『Generate images of Japanese landscapes.』という文章を入力しました。それぞれの方で生成したい画像が異なりますので、その画像のイメージを伝えるプロンプトを作成することができたら、プロンプト入力欄の右下にある『I’m Feeling Lucky』というボタンをクリックしてください。
3.生成された画像は下記の通りです。とてもリアルな日本を象徴する風景画像が出力されました。
4.また、生成された画像の左下部にある『画像を編集』のボタンをクリックすると編集モードに画面が切り替わります。
5.編集モードでは、『画像の変更する部分を上書きします』という項目があります。画像をドラッグすると設定されたブラシサイズでマスクを作成することが可能です。画像に変更を加えたい場合、その部分をドラッグで塗りつぶしていきます。今回は、春ではなく、秋の日本風景を生成したいので、さくらの部分を塗りつぶしました。
6.その後に、塗りつぶした部分を何に変更していくのかをプロンプトで伝えます。プロンプトは『変更内容を記述します』という項目の入力欄に記述します。プロンプトを英語で入力することができたら、『編集内容を生成』のボタンをクリックすると、編集して欲しい内容が反映されます。今回は、春ではなく秋の日本の風景に変更したいので、『Please change it to a Japanese autumn landscape instead of spring.』と入力して、『編集内容を生成』ボタンをクリックしました。生成された画像は下記の通りです。
7.このように、さくらから紅葉に変更してもらったことで、春の風景から秋の日本の風景に変わっています。編集モードを利用することで、変更したい部分をピンポイントで指定することができるので、自分が欲しい画像のイメージに近づきやすくなります。
8.これで、ImageFXでプロンプトから画像を生成する手順の解説は以上です。
ImageFXを利用する際に注意点
このように、ImageFXを使用すれば、誰でも簡単にイメージ通りの画像をプロンプトから生成することができます。しかし、ImageFXを使用する際にはいくつかの注意点があるので、活用を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。
日本語と英語では生成される画像のクオリティに差が生まれる
1つ目の注意点は、日本語と英語では生成される画像のクオリティに差が生まれてしまうという点です。
ImageFXは、英語だけでなく日本語や中国語、イタリア語などさまざまな言語をサポートしています。しかし、ImageFXの使い方の見出しでも触れたように、日本語のプロンプトは英語のプロンプトに比べて内容を伝わらないことが多いです。そのため、イメージ通りの画像を生成したい場合は、日本語ではなく英語を使用するようにしましょう。
商用利用に関して公式声明が出されていない
2つ目の注意点は、ImageFXの商用利用に関して公式声明が出されていないという点です。
Googleは、ImageFXの商用利用に関しては、2024年9月時点で公式声明を出しておらず、ChatGPTのように安心して生成された画像を商用利用することはできません。しかし、ImageFXで生成された画像は商用利用が許可される可能性が高いといわれています。
その理由として挙げられるのが、ImageFX はGeminiとの利用規約に類似している可能性が高いという点です。GeminiはGoogleが提供している生成AIサービスで、Geminiで生成された画像は商用利用が許可されています。そのため、ImageFXに関しても同じ方針で運営される可能性が高いです。
また、SynthID技術が実装されている点も商用利用が許可される可能性が高い理由のひとつです。前述した通り、SynthIDはAIが生成した画像かどうかを識別するための技術であり、この機能により画像の出所や作成過程の透明性を担保することができます。また、SynthIDは商用利用を前提とした設計であることを示唆しています。なぜなら、この技術により著作権の明確化や信頼性の向上、法的保護を担保できるからです。そのため、現時点で著作権に関して公式声明は出されていませんが、今後は許可される可能性も十分にあるでしょう。
しかし、商用利用が許可された場合でも適切な帰属表示を行う必要があります。また、倫理的な配慮や各国の著作権法・関連法規を遵守しなければなりません。
このように、今後は商用利用できる可能性が高いですが、安心して商用利用したいという方は、公式声明が出されたあとで使用するのがおすすめです。
まとめ
今回は、ImageFXの概要や使い方、注意点について詳しく解説しました。ImageFXは、従来からある画像生成AIに比べて生成される画像のクオリティが高いという点が特徴です。また、編集モードも搭載されているため、生成された画像をImageFXに編集してもらうこともできます。これにより、自分がイメージする画像を生成してもらいやすくなるため、ビジネスシーンやプライベートなどさまざまな場面でImageFXを活用することができるでしょう。
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