DALL·E 3とは?使い方や画像生成方法などを解説
現在、世界中で対話型AIが注目を集めています。対話型AIは、人間が入力したプロンプトに合わせて適切な回答を生成してくれるAIサービスです。例えば、情報収集したいことをAIに聞くことで、それについて教えてもらうことができます。また、文字が出力されるため、ブログ記事やプレゼンテーション資料の作成に活用することも可能です。幅広いシーンで使用することができるので、その点も注目を集めている理由といえます。
元々、対話型AIはリリース当初、文字を出力することが中心となっていました。しかし、現在では画像の出力にも対応している対話型AIが増えています。そして、その技術を支えているサービスのひとつとして挙げられるのが、OpenAIがリリースしたDALL·E 3です。実際に、AIを活用して画像生成を行いたい人の中には、DALL·E 3の概要や使い方について知りたいと思われている方もいるのではないでしょうか?
そこで、今回はDALL·E 3の概要や使い方、画像生成方法などについて解説します。
目次
DALL·E 3とは?
DALL·E 3とは、ChatGPTの開発・提供をしているOpenAI社が開発した画像生成AIサービスです。読み方は、『ダリ・スリー』といいます。前身はDALL·E 2であり、DALL·E 3は最新バージョンです。
DALL·E 3は、プロンプトを入力するだけでその内容に沿って画像を生成することができます。簡単に使用することができるため、AIに理解してもらえるプロンプトを作成することが苦手な人でもスムーズに利用することが可能です。
今までプロンプトを使用して画像生成をすることができるサービスはありましたが、質の高い画像を出力するためには複雑なプロンプトを作成する必要がありました。しかし、DALL·E 3は簡単なプロンプトでも高品質の画像を生成することができるという点が特徴です。
また、DALL·E 3は高度なプロンプトにも対応することができる画像生成AIサービスです。これにより、生成された画像の微調整も可能になるため、細かい修正を指示して自分が想像している画像に近づけていくこともできます。
DALL·E 3はどのように画像を生成しているのか?
DALL·E 3は、膨大なデータに対してアルゴリズムを適用し、画像生成を行っています。DALL·E 3のアルゴリズムは、人間が送信するプロンプトを理解し、画像を生成するように設計されています。そして、そのテキストから意味や意図を読み取り画像が生成できる仕組みです。
DALL·E 3で生成される画像には重複がありません。例えば、同じプロンプトを作成し、送信したとしても異なる画像が生成されます。
また、一度生成された画像を人間がプロンプトで指示することで修正を加えることができます。DALL·E 3は人間の意思を反映させやすく、まるで優秀なデザイナーが自分の画像制作をサポートしてくれているかのように使用することが可能です。
ちなみに、DALL·E 3はTransformerというAIモデルが採用されています。Transformerは、自然言語処理の領域を一新した革新的な技術であり、最先端のさまざまなAIサービスのベースとなっている機械学習モデルです。初期段階では特別な知識を所有していませんが、特定の領域のデータを学習する過程で画像生成能力を確立していきます。Transformerには、意味のある情報のみを学習していく能力があり、このことが画期的なクオリティの向上につながっているといっても過言ではありません。
DALL·E 3の料金について
DALL·E 3を利用するためには、ChatGPT Plusに加入するもしくはMicrosoft CopilotやBing Image Creatorを使用しなければなりません。ChatGPT Plusに加入してDALL·E 3を利用する場合、年間20ドルかかります。一方、Microsoft CopilotやBing Image CreatorからDALL·E 3を利用する場合、無料で使用することが可能です。
DALL·E 3を使用する3つのメリット
DALL·E 3を使用することで、さまざまなメリットを獲得することができます。具体的にどのようなメリットがあるのか解説しますので、ぜひ参考にしてください。
知識がない人でも画像を制作できる
1つ目のメリットは、知識がない人でも画像を生成することができるという点です。
通常、画像を制作する際は、アートに関する知識や技術はもちろんのこと、画像制作ツールに関してもうまく使いこなす必要があります。そのため、知識がない人や画像制作ソフトを使用した経験がない方にとってはハードルが高いものとなっていました。
しかし、DALL·E 3を使用すれば、テキストで制作してほしい画像を伝えるだけで高品質の画像を生成してもらうことができます。これにより、技術や知識の有無を問わずに誰でも画像を作れるようになるので、その点が大きなメリットです。
独創的なアイデアを生み出すことができる
2つ目のメリットは、独創的なアイデアを生み出すことができるという点です。
基本的に人間の発想力には限界があり、コミュニケーションを取りながらアイデアを生み出す場合でも新しいものが生まれづらいことがあります。ほかのサービスのアイコンと似てしまったり、他社のホームページとかぶってしまう画像になったりするケースは珍しくありません。
一方、DALL·E 3は常識や固定概念にとらわれずに新しいアイデアを生み出すことが可能です。また、人間が送信したプロンプトに独自の解釈を加えて画像生成をするケースも珍しくありません。そのため、独創的なアイデアを生み出すことができる可能性があります。
スムーズにビジネスの中で活用することができる
3つ目のメリットは、ビジネスへの活用がスムーズであるという点です。
ビジネスの中で画像制作をする機会は少なくありません。例えば、コラム記事やホームページ制作、プレゼンテーション資料の作成、サービスのアイコン制作などが挙げられます。このような機会にDALL·E 3を活用すれば、非常にスムーズに画像を作成することができます。
また、工数を減らせる点もメリットです。画像を制作する際は、デザイナーへの企業ビジョンの共有やデザイン制作、修正、承認という一連のプロセスを通過する必要があります。しかし、DALL·E 3を使用すれば、これらのプロセスを一人で対応することも可能になりますし、承認へのプロセスも短くなるため、アイデアをスムーズに採用できるようになるでしょう。
DALL·E 3の使い方
DALL·E 3を使用する方法は、大まかにわけて下記の3つです。
- ChatGPT Plus
- Microsoft Copilot
- Bing Image Creator
それぞれの使用方法について詳しく解説します。
ChatGPT Plus
1つ目の使用方法は、ChatGPT Plusに加入することです。
ChatGPT Plusは、ChatGPTの有料プランになります。DALL·E 3はOpenAIが開発した画像生成AIサービスであり、GPT-4でDALL·E 3の使用が可能です。
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは、Microsoft社が提供している対話型AIです。OpenAIのGPTを用いて開発されたチャットボットであり、DALL·E 3を利用することもできます。Microsoft Copilot の場合は、DALL·E 3を無料で利用することが可能です。
Bing Image Creator
Bing Image Creatorとは、Microsoft社が提供している画像生成AIです。ほかの画像生成AIと同じように、人間が作成したプロンプトを送信するだけで画像を生成することができます。
Bing Image Creatorには、DALL·E 3が搭載されており、DALL·E 3によって画像が生成されています。Microsoft Copilotと同様に、Bing Image Creatorに関してもDALL·E 3を無料で利用することが可能です。
DALL·E 3を使用して画像を生成する方法
次に、DALL·E 3を利用して画像生成するまでの方法を手順に沿って紹介します。
DALL·E 3はChatGPT Plus、Microsoft Copilot、Bing Image Creatorで利用できますが、それぞれのサービスで使用方法が異なります。そのため、それぞれのサービスにわけて解説していきますので、これからDALL·E 3の活用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTを利用してDALL·E 3を使用する方法
ChatGPTを利用してDALL·E 3で画像生成するまでの手順は下記の通りです。
1.ChatGPTからDALL·E 3を利用する場合、まずは下記のURLにアクセスします。ちなみに、ChatGPTを利用するためには、アカウントの作成が必要です。また、DALL·E 3の利用にはChatGPT Plusに加入しなければならないため、事前にこれらの作業を行ってください。
2.ChatGPTにアクセスすることができたら、モデルをGPT-4に切り替えます。
3.今回は、ホームページ制作会社のロゴを作成してもらいたいので、プロンプトに『ホームページ制作会社のロゴを作成してください。会社の名前は株式会社〇〇、使用したい色はレッド、顧客のホームページを輝かせるようなイメージにしたいです。』と入力し、プロンプトを送信しました。その後に生成された画像は下記の通りです。
4.以上でChatGPTを使用してDALL·E 3に画像を生成してもらう手順は終了です。
MicrosoftCopilotでDALL·E 3を利用する方法
次に、MicrosoftCopilotでDALL·E 3を利用し、画像を生成してもらう手順を解説します。
1.はじめに、MicrosoftCopilotのURLにアクセスします。
2.『無料バージョンのCopilotをお試しください』と書かれたボタンをクリックしてください。ちなみに、MicrosoftCopilotを利用するためには、Microsoftアカウントが必要です。そのため、事前に作成しておくようにしましょう。
3. MicrosoftCopilotにアクセスできたら、生成したい画像をプロンプトに入力します。今回は、プレゼンテーション資料で使用する企業のビルが立ち並んだ画像を生成してもらいたいので、プロンプトに『プレゼンテーション資料で使用する企業のビルが立ち並んだ画像を生成してください。』と入力しました。DALL·E 3が生成した画像は下記の通りです。
4.これでMicrosoftCopilotを使用してDALL·E 3に画像を生成してもらう手順は以上です。
Bing Image Creatorを使用してDALL·E 3で画像を生成する方法
次に、Bing Image Creatorを使用してDALL·E 3で画像を生成する手順を解説します。
1.はじめに、Bing Image Creatorの公式サイトにアクセスします。
2.公式ページにアクセスすると、プロンプトを入力する部分があります。今回は、公園で家族が遊ぶ画像を作成したいので、プロンプトに『公園で家族が遊ぶ画像を作成してください。』と入力して送信しました。その後に生成された画像は下記の通りです。
3.これで、Bing Image Creatorを使用してDALL·E 3で画像を生成する手順は以上です。
DALL·E 3を利用する際に注意したいポイント
このように、DALL·E 3を利用すれば、簡単に画像を生成してもらうことができるので非常に便利です。しかし、 DALL·E 3を利用するにあたり、気を付けたい注意点がいくつかあるので、DALL·E 3の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
利用するサービスによって商用利用の可否が異なる
1つ目の注意点は、利用するサービスによって商用利用の可否が異なるという点です。
DALL·E 3を利用するためには、ChatGPT、Microsoft Copilot、Bing Image Creatorのどちらかのサービスを使う必要がありますが、それぞれのサービスで商用利用についての言及が異なります。ChatGPTに関しては、『ユーザーに所有権が帰属するため、商用利用を含む自由な利用が可能である』とOpenAIのヘルプページに言及があります。そのため、商用利用をしても問題ないと考えることができます。
一方、Microsoft CopilotやBing Image Creatorに関しては商用利用についての明確な記載はないため、商用利用のためにDALL·E 3を利用する際は、ChatGPTを使用するのがおすすめです。
DALL·E 3には利用回数の制限がある
2つ目の注意点は、DALL·E 3には利用回数の制限があるという点です。
ChatGPTを利用してDALL·E 3を使用する場合は、画像生成にクレジット制度や追加料金などはありませんが、1回のセッションでメッセージ数が40回/3時間までという制限があるため、使いすぎると画像生成ができなくなる可能性があります。
また、Microsoft CopilotやBing Image Creatorに関しても利用回数制限は設けられていません。しかし、ブースト機能が使用できなくなるため、その機能が利用できなくなると画像生成に最大で5分程度かかります。
AIによる生成物であることを明示する必要がある
3つ目は、AIによる生成物であることを明示する必要があるという点です。
OpenAIは、DALL·E 3を利用して画像生成をする場合、AIによる生成の明示が必要であると公式Xで述べています。ChatGPTはもちろんのこと、Microsoft CopilotやBing Image Creatorに関してもDALL·E 3を使用しているため、サービスに関わらずAIによる生成の明示を行わなければなりません。
実際に、海外ではAIで作成された文書や画像に対してAIで作成されたものなのかそれともオリジナルなのかの明示を義務化する動きもあります。日本でも海外と同様の流れになる可能性があるので、十分に注意するようにしましょう。
まとめ
今回は、DALL·E 3の概要や使い方、画像生成方法について詳しく解説しました。DALL·E 3を利用することで、プロンプトを送信すれば、画像を自動で生成することができるようになります。これにより、画像制作の工数を減らせたり、一人で画像制作に対応できるようになったりするので、企業や個人に大きなメリットをもたらすでしょう。しかし、DALL·E 3を利用する際にはいくつかの注意点があるので、しっかりと理解した上で使用する必要があります。
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