業務の中で対話型AIを積極的に活用しているという方も多いのではないでしょうか?対話型AIを活用すれば、検索エンジンを使用せずに知りたいことを素早く教えてもらえたり、抱いている悩みに対して最適な提案を受けられたりするため、非常に便利です。また、対話型AIを利用すれば業務自動化も実現することができます。例えば、APIを活用し自社システムに組み込むことで、カスタマーサポートの自動化など普段人間が対応しなければならない業務を代わりに対話型AIに任せることができます。これにより、人件費削減や業務効率化など企業はさまざまなメリットを得ることができます。
代表的な対話型AIと聞くとChatGPTを思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、現在はさまざまな対話型AIが登場しているのをご存じでしょうか。そのひとつに、NotionAIが挙げられます。実際に、どのような対話型AIなのか気になっている方も少なくないでしょう。そこで、今回はNotionAIの概要やChatGPTと何が違うのか、どのように使い分けをすればいいのかについて解説します。
目次
NotionAIとは?概要をわかりやすく解説
NotionAIとは、いわゆる『Notion』上で使用することができる対話型AIのことです。基本的にNotion上の文章作成を効率化するために使用されます。ChatGPTの場合は、WebアプリケーションやAPIが提供されており、汎用性の高い利用が可能です。一方、NotionAIはNotion上の利用に限定されるため、Notionに特化したAIアシスタントサービスといえます。
NotionAIを使用すれば、テーマを指定することでビジネス文章やブログを自動で作成することができます。また、長文の要約や外国語の翻訳も得意です。ChatGPTに比べて文章の取り扱いがメインとなっており、普段からNotionを使用する人にとってメリットがあるAIチャットボットといえます。
そもそもNotionとは?
Notionは、メモやWiki、タスク管理やデータベースなど、さまざまな機能を一元管理することができるクラウドベースのアプリケーションのことです。通常、メモはOneNote、表の作成はExcel、文章の作成はWordなど、作成するモノによってアプリケーションを使い分けるのが一般的です。しかし、このやり方では作成したいモノに合わせてアプリケーションを使い分けなければならないので、効率が悪くなります。しかし、Notionを利用すれば、これらを一元管理することができるので、さまざまな作業を1つのツールで実現することが可能です。
NotionAIを使用するための具体的な手順
ChatGPTと同様に、NotionAIを利用するためには、アカウントを作成する必要があります。ここでは、NotionAIを利用するための具体的な手順について解説しますので、アカウントを作成していないという方は参考にしてください。
1.NotionAIのアカウントを作成するためには、まず下記のURLにアクセスします。
https://www.notion.so/ja-jp/product/ai
2.公式ページの右上にある『無料でNotionをダウンロード』のボタンをクリックします。
3.ログイン画面に遷移しますので、任意の方法でログインをしてください。ちなみに、画面にはログインという表記となっていますが、アカウント作成をしていない方もこちらの画面から行います。Notionのアカウントがない場合、自動でアカウント作成の処理となりますので、安心してください。
4.この記事では、GoogleアカウントでNotionアカウントを作成しました。
5.NotionAIのアカウント作成に成功すると、セットアップ画面に移行します。まずは、どのような用途でNotionAIを利用するのか選択してください。
6.NotionAIの画面に遷移します。サイドメニューから『+ページを追加』をクリックします。
7.この画面から実際にAIへ文章作成依頼ができます。これでNotionAIのアカウント作成作業は完了です。
NotionAIが持つ3つの特徴
NotionAIは、ChatGPTとは異なる特徴を持つAIアシスタントサービスです。それぞれの特徴について詳しく解説します。
関連情報の収集が容易
1つ目の特徴は、関連情報の収集が簡単になるという点です。
NotionAIは、文章の制作者が作成している文章を自動で解析し、それに関連する情報やページを推奨するような機能が搭載されています。一般的に文章を作成する際は、テーマに合わせて検索エンジンなどで情報を調べて収集し、コンテンツとして仕上げるのが一般的です。情報を探すことに手間がかかりますし、テーマによってはなかなか欲しい情報が見つからないというケースも珍しくありません。しかし、NotionAIを使用すれば、このような手間が抑えられるので、効率的にブログの文章等を作成することができるようになります。
自動要約機能が搭載
2つ目の特徴は、自動要約機能が使える点です。
Notionはブログやプレゼン資料の作成だけでなく、メモや議事録を記録する際にも活用されます。会議中にNotionでメモをとっていると急いで書いているため、うまくまとめられていないことも少なくありません。そのため、文章が長くなってしまいがちです。しかし、NotionAIを使用すれば自動要約機能があるため、自動で要点をまとめてもらうことができます。これにより、改めてメモを整理する必要がなくなるため非常に便利です。
翻訳機能が利用できる
3つ目は、自動翻訳で効率化できる点です。
NotionAIを利用すれば、ドキュメントを自動で翻訳してもらうことができます。これにより、Google翻訳などに文章を貼り付けて翻訳してもらうというような手間がなくなるので、効率的に海外のサイトから情報収集をすることが可能です。
NotionAIとChatGPTの代表的な6つの違い
NotionAIとChatGPTはどちらも非常に優秀な対話型AIです。しかし、両者には大きな違いがあります。NotionAIとChatGPTの違いを知っておくことで、どちらが自分に向いているのかを知ることができたり、使い分けをする際にその知識が役立ったりするので、ぜひ参考にしてみてください。
Notionの使用に特化しているかどうか
1つ目の違いは、Notionの使用に特化しているかどうかです。
NotionAIは、ChatGPTとは異なり、Notionに特化したAIアシスタントサービスです。そのため、あくまでもNotionを利用することが前提になります。
一方、ChatGPTは特定のサービスに特化しておらず、汎用性が高いです。ChatGPTは文章作成以外にもさまざまな質問に答えてくれる対話型AIになります。WebアプリケーションとAPIを提供し、使い方に限りはありません。そのため、ChatGPTとNotionAIでは、Notionに特化しているかどうかという点に大きな違いがあります。
採用している大規模言語モデル
2つ目の違いは、どのような大規模言語モデルを採用しているかどうかです。
ChatGPTは、GPT-3.5やGPT-4.0を採用しています。GPT-3.5が採用されているChatGPTは無料で提供されており、GPT-4.0が搭載されているChatGPTは有料で利用可能です。
一方、NotionAIはGPT-3モデルを利用しています。そのため、ChatGPTとは採用している言語モデルに大きな違いがあるといえるでしょう。
生成された文章の編集
3つ目の違いは、生成された文章の編集が可能かどうかです。
基本的にChatGPTは、生成された文章に対して直接修正を加えることはできません。実際にChatGPTで生成された文章に修正を加えたいときは、Wordやメモ帳にその文章をコピーし、修正を行うのが一般的です。
一方、ChatGPTとは異なりNotionAIは生成された文章を直接編集することができます。ほかのアプリを経由せずにブラウザ上ですべての作業を済ませられるのでその点は利便性が高いです。
画像の読み込み
NotionAIは、文章に特化したAIアシスタントサービスです。通常の文章はもちろんのこと、下記のようにプログラムを生成したりすることもできます。
4つ目の違いは、画像を扱えるかどうかです。
しかし、画像を扱うことはできません。例えば、画像を送信して描写されている内容を把握したり、その画像に関する説明をさせたりすることは難しいです。
一方、ChatGPTはGPT-4.0採用のChatGPT Plusに限られますが、画像の読み取りなどができます。ChatGPT Plusはマルチモーダルに対応しているため、その点もChatGPTとNotionAIの大きな違いのひとつです。
テンプレートの有無
5つ目の違いは、テンプレートの有無です。
Notionは、文章を作成するだけでなく、スケジュール管理などさまざまな用途で使用できます。そして、Notionにはテンプレートが豊富に提供されているため、素早くタスク管理などを行えるというメリットがあります。
一方、ChatGPTはあくまでも対話型AIの機能に特化しているため、Notionのような使い方をすることは難しいです。
料金及び回数制限
6つ目の違いは、料金や回数制限の違いです。
NotionAIは、無料で利用することもできますが、回数制限が設けられています。アカウント作成してから20回使用すると無料プランではNotionAIの利用ができなくなるので注意が必要です。また、NotionAIを20回以上利用するためには、有料プランに加入する必要があります。NotionAIの有料プランは、年払いの場合、月額8ドル、月払いの場合は10ドルの費用がかかります。
一方、ChatGPTはNotionAIとは異なり回数制限がなく、無料で利用することができます。アカウント作成をすれば、費用を一切支払う必要がないので、ChatGPTのほうが料金は安いです。しかし、無料で利用できるのは、GPT-3.5が採用されているChatGPTに限られます。GPT-3.5よりも精度が高いGPT-4.0が搭載されているChatGPTを使用する場合は、ChatGPT Plusに加入する必要があります。ChatGPT Plusは月額20ドルの料金がかかるので、その点は注意するようにしましょう。
NotionAIとChatGPTの効率的な使い分け
このように、NotionAIとChatGPTでは違いがあるので、作業内容によって得意・不得意があります。そのため、NotionAIとChatGPTの両方を使いたいという方は、うまく使い分けられるようになると業務効率がアップするでしょう。
具体的に、NotionAIとChatGPTの使い分けについて詳しく解説しますので、両方使いたいという方はぜひ参考にしてください。
Notion内で対話型AIを使用したい人はNotionAI
普段からNotionを使用する機会が多く、Notion内で対話型AIを活用したいという方は、NotionAIの利用がおすすめです。先ほども述べたように、NotionAIはNotionに特化した対話型AIとなっており、生成された文章を直接編集できるなどのメリットがあります。そのため、Notion愛用者はNotionAIを活用することで、ブラウザの中だけで文章作成とAIの活用をまとめて行うことができるため便利です。
対話型AIに汎用性を求めるならChatGPT
汎用性の高い対話型AIを使用したいという方は、ChatGPTがおすすめです。ChatGPTは、画像を読み取ることができたり、APIが提供されていたりするなど、さまざまな目的に合わせて活用することができます。そのため、NotionAIよりも汎用性が高く、できることも多いです。
一方、NotionAIはNotion上で利用できる対話型AIになるため、ChatGPTに比べて汎用性は劣ります。そのため、カスタマーサポートとしてChatGPTを使用したい、WebアプリケーションにChatGPTの機能を組み込みたいという場合は、ChatGPTの利用がおすすめです。
文章の自動要約や翻訳などに活用したいならNotionAI
文章の自動要約や翻訳に対話型AIを活用したいときはNotionAIを使用します。NotionAIは文章の自動要約や自動翻訳、文章分類、キーワード抽出などが得意な対話型AIです。これらの作業を行うときは、NotionAIを利用すると作業が効率的になるでしょう。
一方、ChatGPTは文章の自動要約なども可能ですが、質問応答やカスタマーサポートなどを行わせるときに便利です。
無料でAIチャットを利用したいならChatGPT
無料でAIチャットボットを利用したいならChatGPTがおすすめです。NotionAIは、最初の20回は無料で利用することはできますが、それ以上使用すると有料プランに移行しなければなりません。
一方、ChatGPTはアカウントを作成すれば無料で利用することができます。回数制限などもなく、仕様変更などが発生しない限り無償で使い続けることが可能です。そのため、NotionAIとChatGPTを両方無料で利用したいという方は、NotionAIを利用するときは、どうしてもNotionAIでなければいけないときなどに使用し、それ以外はNotionAIの回数を少なくするためにChatGPTを活用するといいでしょう。
画像の読み取りなど精度の高さを求めるならChatGPT
画像を活用したいときは、ChatGPTを使用します。画像の読み取りや説明をChatGPTに行わせるときは、ChatGPT Plusにプラン変更する必要があります。しかし、GPT-4.0採用のChatGPTはマルチモーダルに対応しているため、画像を扱う際はChatGPTの利用が最適です。
まとめ
今回は、NotionAIの概要や特徴、NotionAIとChatGPTの違いや使い分けについて詳しく解説しました。NotionAIは、Notion上で使用することができるAIアシスタントサービスです。文章の要約や翻訳などが得意で、生成された文章を直接編集できる点がメリットになります。しかし、回数制限があり、汎用性はChatGPTよりも劣るため、目的に応じてうまく使い分けるようにするのがおすすめです。
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