現在、ビジネスシーンやプライベートでもAIの利用は欠かせないものとなりました。特に、ChatGPTは非常に多くの人に使われているチャットボットであり、非常に精度が高いことで知られています。今までのChatGPTの最新バージョンはGPT-4となっていましたが、2024年5月13日のOpenAIのアップデート情報の発表によりGPT-4oが登場しました。発表時はXのトレンドでChatGPTのワードが上位にランクインし、アップデート情報が多くの人に注目されていることがわかります。
普段からChatGPTを使用している方の中には、今回のアップデートで何が変わったのか詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか？
そこで、今回はOpenAIが発表したChatGPTのアップデート情報について詳しく解説します。
目次
OpenAIが発表したChatGPTのアップデート内容とは？
OpenAIは、2024年5月13日にChatGPTのアップデートを発表しました。アップデート情報の大きなポイントは大まかにわけて3つあります。それぞれのChatGPTのアップデート情報について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
アップデート内容①「GPT-4oの発表」
1つ目のChatGPTのアップデート情報は、ChatGPTの最新バージョン『GPT-4o』の発表です。
GPT-4oは、ChatGPTの最新の大規模言語モデルとなります。今まで非公開になっていたGPT2と言われるモデルの正体がGPT-4oです。従来のモデルに比べて圧倒的に精度がアップし、OCRという画像読み取り機能に関しても日本語で対応できるようになるなどさまざまなメリットが挙げられます。GPT-4oの特徴については後述しますので、詳しい内容を知りたいという方は、ぜひご確認ください。
アップデート内容②「デスクトップアプリの公開」
2つ目のChatGPTのアップデート情報は、デスクトップアプリの公開です。
現時点では、macOSのみとなりますが、ChatGPTのデスクトップアプリが公開されました。macOSのキーボードで『Option+スペースキー』を押すと簡単にChatGPTを立ち上げることが可能です。
基本的にmacOSのアプリは、App Storeを経由して入手することが多くなります。しかし、ChatGPTのデスクトップアプリは、ChatGPTにログインしてアカウントアイコンをクリック後、表示されるメニューから『macOSアプリをダウンロードする』を選択することで利用が可能です。
デスクトップアプリを利用することで、簡単にChatGPTを立ち上げて知りたいことを聞いたり、使いたいテキストを出力できたりするので便利です。ちなみに、Windows版のデスクトップアプリは2024年後半にリリースされることが予定されています。
アップデート内容③「GPTs/GPT Store/GPT-4などの無料開放」
3つ目のChatGPTのアップデート情報は、GPTs/GPT Store/GPT-4などを無料で利用できるようになったことです。
画像生成や音声会話などはアップデート情報発表後も無料で利用することができません。しかし、GPTs/GPT Store/GPT-4など元々有料のChatGPT Plusプランのみで利用できていたものが無料で開放されています。これにより、アップデート後は無料ユーザーもChatGPTの豊富な機能を利用できるようになったので、このアップデート情報を聞いて実際に喜んだという方も多いのではないでしょうか？
しかし、無料プランはアップデート後もメッセージの上限などが設けられているため、ChatGPTにたくさん質問する方やGPTsを作成したいという方は有料プランの利用がおすすめです。
アップデート内容でもっとも注目されたGPT-4oとは？
今回のChatGPTのアップデートでもっとも注目されたのがGPT-4oの登場です。具体的にどのようなモデルなのか知りたいという方も多いのではないでしょうか？
GPT-4oとは、GPT-4 omniの略称で、OpenAIが開発したChatGPTの最新モデルです。テキストや音声、画像など複数の形式のデータを処理することができるように設計されたChatGPTの最新モデルで、幅広い用途に使用できる点が大きな特徴になります。
GPT-4oは、従来のChatGPTよりも精度や応答速度が向上し、より自然で一貫性のある対話を実現することが可能です。
GPT-4oの料金について
アップデートで発表されたGPT-4oの料金は、ChatGPT Plusに加入することで利用することができます。ChatGPT Plusの料金は月額20ドルです。そのため、1ドル157円の場合、日本円に換算すると3,140円で利用できます。
しかし、GPT-4oはChatGPT Plusに加入していなくても利用可能です。回数制限は設けられていますが、5時間あたり10回まで利用することができます。そのため、質問回数が少ないという方や一度アップデート後のChatGPTを試してみたいという人は無料プランでも問題ないでしょう。しかし、ChatGPT Plusに加入すればGPT-4oの使用が3時間あたり80回まで利用できるため、アップデート後のChatGPTを快適に利用したいという方は、有料プランを活用するのがおすすめです。
GPT-4oはAPIを経由して利用することも可能です。APIからGPT-4oを使用する場合、入力が1Mトークンあたり5ドル、出力は1Mトークンあたり15ドルとなっています。アップデート前の最新バージョン『gpt-4-turbo』は、入力が1Mあたり10ドル、出力は1Mあたり30ドルでした。つまり、GPT-4oはGPT-4 Turboの半額の料金で利用できることになります。
アップデートで発表されたGPT-4oの使い方
アップデートされたChatGPTの最新バージョン『GPT-4o』は、誰でも簡単に利用することができます。ここでは、具体的にどのように使えばいいのかを解説しますので、GPT-4oの利用を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
有料で使う方法
ChatGPT PlusでアップデートされたChatGPTの最新バージョン『GPT-4o』を利用する際は、モデルを変更するだけで使用可能です。
下記の画像のように赤枠からモデルの変更ができるため、GPT-4oを選択するだけで利用できます。
無料で使う方法
無料プランで使用する場合も同様になります。モデルをGPT-3.5からGPT-4oに切り替えることで利用することが可能です。しかし、無料版は5時間あたりの利用回数が10件に制限されているため、その点は注意が必要になります。
アップデートで注目されたGPT-4oの5つの特徴
今回のアップデートでもっとも注目されたのがGPT-4oです。その理由は、従来のモデルよりも精度などが向上し、ユーザーの利便性が大幅にアップしたからといえるでしょう。ここでは、具体的にアップデートで注目されたGPT-4oの特徴を5つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
精度の向上
1つ目の特徴は、精度の向上です。
OpenAIはText Evaluationというテキスト評価をアップデート時に公表しました。
(出典：https://openai.com/index/hello-gpt-4o/)
このデータはMMLU、GPQA、MATH、HumanEval、MGSM、DROPという6つの指標でモデルの精度を測ったものでしたが、GPT-4oはMMLU、GPQA、MATH、HumanEvalという4つの指標でほかのモデルに比べてもっと高い数値を記録しており、GPT-4oの精度の高さが理解できます。
速度の大幅アップ
2つ目の特徴は、速度が大幅アップされたという点です。
アップデートで公表されたGPT-4oは、従来のGPT-4よりも速度が大幅に改善されました。実際に、GPT-4 Turboよりも3倍の速度で結果を出力することができるようになったので、今までよりもスムーズな利用が可能です。
利用料金の半額
3つ目の特徴は、半額で利用することができるという点です。
アップデートで公表された最新モデル『GPT-4o』のAPIは、従来のGPT-4 Turboの半額の価格で利用することができます。そのため、ChatGPTを組み込んだシステムを提供している企業がGPT-4 TurboからGPT-4oに変更することで、予算を抑えることができるでしょう。
APIの利用上限の引き上げ
4つ目の特徴は、APIの利用上限の引き上げです。
今回のアップデートで使用可能になったGPT-4oのAPIの利用上限はGPT-4 Turboに比べて5倍向上しました。こちらの上限に関しては今後随時解放されていくとOpenAIがアップデート時に公表しています。
音声会話での高速回答が可能
5つ目の特徴は、音声会話での高速回答が可能になったという点です。
OpenAIはアップデートの際に音声会話を実践している動画も公表していますが、人間と会話をしているときのようにChatGPTと音声会話ができるようになっています。素早い回答が得られるため、利便性が大幅に向上しています。
アップデートで発表されたGPT-4oでできることまとめ
次に、アップデートで公表された最新モデル『GPT-4o』でできることについて詳しく解説します。『具体的に何ができるのか』、『どのように活用すればいいのかわからない』という方は、ぜひ参考にしてください。
リアルタイム翻訳
1つ目は、リアルタイム翻訳です。
OpenAIがアップデート時に公表した動画では、実際にGPT-4oを使用してイタリア語から英語に翻訳する映像が公開されています。GPT-4oはリアルタイム翻訳が可能なため、ChatGPTが通訳となって国の異なる人々との会話をサポートすることが可能です。
Google Drive等との連携
2つ目は、Google Driveとの連携ができるという点です。
今回のアップデートでChatGPTは、Google DriveやOneDriveとの連携ができるようになりました。これにより、Google DriveやOne Driveに保存されているスプレッドシートやドキュメントをChatGPTにアップロードすることで分析ができるようになります。
画像から作品の詳細の提供
3つ目は、画像から作品の詳細を説明してもらうことができるという点です。
GPT-4oとGPT-4 Turboに商品が写し出された同じ画像を送信したところ、GPT-4 Turboはその商品の詳細を説明することができなかったのに対して、GPT-4oは商品のシリーズ名などを詳しく説明することができました。画像認識処理においてすべてのケースでGPT-4oのほうが優れているというわけではありません。しかし、画像から作品の詳細を説明することも可能なため、ECサイトを構築するときなどにも活用しやすいといえるでしょう。
OCR処理
4つ目は、OCR処理が可能な点です。
テキストが含まれる画像をアップデートで公表された『GPT-4o』に送信し、テキストを出力させることができます。例えば、数多くの商品名が含まれた画像を送信して、『この画像に含まれる商品名を正確にリストアップしてください。』と伝えるだけで、商品名を正確にリスト形式で出力してもらうことが可能です。
元々、画像の中に含まれるテキストをWebサイト等で使用する場合、人間が一つ一つ打ち込む必要がありました。また、特に手書きの文字が含まれる画像の場合、AIを使用しても正確に読み取ることができないケースも多かったです。しかし、今回のアップデートで公表されたGPT-4oはOCR処理が正確なため、画像の中にある文字を素早くテキストに変換し、それを活用することができるようになっています。
データ分析
5つ目は、データ分析です。
ChatGPTのアップデートで公表されたGPT-4oのデータ分析能力は非常に高く、新機能の利用ができます。従来から利用できるGPT-4においてもデータ分析が可能となっていましたが、新機能が利用できるのはGPT-4oのみです。
GPT-4oでは、表や書類のデータセットをアップロードしてインタラクティブな表を作成することが可能です。また、全画面表示で情報を見ることができたり、編集やカスタマイズをしたりすることもできます。さらに、一部分をクリックしてそれに関連する情報を質問するというような使い方も可能です。
手書きの画像から図を作成
6つ目は、手書きの画像から図を作成することです。
ChatGPTのアップデートで利用できるようになったGPT-4oに手書きの画像を送信し、そこから図を作成してもらうことができます。これにより、GPT-4oに図表作成及びPowerPoint出力を代わりに行ってもらうことができるため、プレゼン資料の作成時間を短縮させることが可能です。
グラフの作成
7つ目は、グラフの作成です。
ChatGPTのアップデートで公表されたGPT-4oにはデータビジュアライゼーション機能が搭載されているため、データからグラフを作成してもらうこともできます。例えば、ChatGPTにデータが記録されているCSVファイルなどを送信して、『このファイルのデータをもとにグラフを作成してください。』とChatGPTへ伝えると自動的にグラフを作成してもらうことが可能です。
ChatGPTのGPT-4oで作成したグラフは、後から色を変更することもできます。また、動的・静的なチャートに切り替えることができたり、自然言語で編集したりすることも可能です。
まとめ
今回は、OpenAIから発表されたChatGPTのアップデート情報について詳しく解説しました。2024年5月13日に発表されたアップデートによりChatGPTの最新バージョンであるGPT-4oの使用が可能になりました。ChatGPTで以前から利用できたGPT-4よりも精度が高く、GPT-4oだけが利用できる機能もあるため、対話型AIを積極的に活用していきたいという方は利用を検討するのがおすすめです。
また、今回のアップデートでmacOSのデスクトップアプリが使えるようになるなどChatGPTがさらに強化されています。さらに、2024年後半にはWindows版のデスクトップアプリの公開も予定されています。ChatGPTはアップデートの度に大きな進化を遂げているため、今後のアップデート情報にも注目していきましょう。
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