近年、AI技術が飛躍的に進歩し、私たちの生活の中でも活用する場面が増えました。例えば、生成AIを活用して情報収集をしたり、テキストや画像、動画などのコンテンツを生成したりしています。ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも活用するシーンは非常に多く、AIは私たちの身近な存在となりました。
生成AIが登場した当初は、ChatGPTが非常に人気でした。しかし、現在では数多くの生成AIが提供されており、さまざまな種類から使用する生成AIを選択することができます。そして、近年においてはChatGPTの性能を初めて超えたことでClaudeが非常に人気となっています。実際にどのような生成AIモデルなのか知りたい方や使用方法を把握しておきたいという人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はClaudeの概要や特徴、使い方について詳しく解説します。
目次
生成AIモデルClaudeとは?
Claudeとは、アメリカの人工知能スタートアップ企業兼公益法人であるAnthropic社によって開発・提供されている生成AIモデルです。Anthropic社は、ChatGPTの開発・提供で有名なOpenAI社に所属していた複数の人物が同社のやり方に異を唱えて2021年に起業したスタートアップ企業になります。経営期間は長くありませんが、Amazon社から40億ドル、Google社が追加で20億ドルの巨額出資を行ったことでAI業界から高い注目を集めています。
Claudeは、2023年に一般公開されたAIチャットモデルであり、大規模言語モデルであるclaude.aiを通じて自然対話を行うことができます。無料プランと有料プランであるClaude Proの2種類が提供されており、Claude Proは月額20ドルで契約することが可能です。
Claudeが非常に注目されている理由は、ChatGPTの性能をはじめて超えたことです。2024年3月26日時点のChatbot Arenaという大規模言語モデルの比較サイトでClaude OpusがChatGPTのGPT-4を超える快挙を成し遂げました。今まで数々の大規模言語モデルがオープンソースや各企業から登場していましたが、ChatGPTを超えたモデルは一度もなく、Claudeの性能の高さを伺い知ることができます。
Claudeが持つ5つの特徴について
Claudeの特徴は大まかにわけて5つあります。それぞれの特徴について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
人間らしい文章を生成できる
1つ目の特徴は、人間らしい文章を生成することができるという点です。
従来のAIが作成する文章は、全く読めないということはありませんでしたが、機械的な文章になりがちでした。例えば、英語を無理やり日本語に翻訳したような文章や普段の会話で使われないような文章が利用されるケースも珍しくありません。そのため、その文章を読んだ人はAIが生成した文章であることに気づいたり、読みづらかったりするため、ビジネスの中で活用することが難しい場合が多かったです。
一方、Claudeは適切な言葉を選び、まるで人間が書いたような文章を生成してくれます。そのため、文章によってはSNSやブログにそのままコピーペーストできるものもあるため、ビジネスの中で実用的に活用することが可能です。また、文脈を理解して適切な回答を生成する能力が高いため、人間とのコミュニケーションをスムーズに行える点やチャットボットなどの対話が必要な場面でも活用しやすいという面も大きな特徴となるでしょう。
最大20万トークンの読み取りに対応
2つ目の特徴は、最大20万トークンの読み取りに対応しているという点です。
Claudeは、従来のAIよりも読み込める文字量が多く、全体の文章を正確に理解できる能力が高くなっています。最大で20万トークンの読み取りに対応しており、文字数に換算すると約15万文字に及びます。そのため、ページ数が非常に多い電子書籍やレポートなどでもClaudeなら容易に読み取ることができます。
また、単に文字数の多い文章に対応できるだけでなく、研究論文や小説などの難解な文章の読み取りにも対応することが可能です。さらに、テキストデータはもちろんのこと、PDFファイルなども問題なく扱うことができるので、その点もClaudeの大きな特徴であるといえるでしょう。
一定の安全性が担保されている
3つ目の特徴は、一定の安全性が担保されているという点です。
Claudeは安全性を担保するために、Constitutional AIを採用しています。Constitutional AIは、ルールに基づいて善悪を判断し、安全性を高めるAIのことです。これにより、Claudeは自由・平等・連帯感を意識した振る舞いをすることや生命・自由・個人の安全を最も支持し奨励する振る舞いをすることなど、いくつかの原理に基づいて出力を行います。つまり、Constitutional AIを採用することで倫理観に配慮しながら文章を作成することができるため、そのままAI文章を活用した際に懸念される炎上リスクなどを抑えることが可能です。
しかし、Claude はConstitutional AIを採用していますが、完全に安全性を担保するわけではありません。そのため、実際にClaudeから生成された文章を使用する際は、人間の目でしっかりとチェックすることが望ましいです。
コードの生成能力が高い
4つ目は、コード生成能力が高いという点です。
Claudeは、PythonやJavaScript、Java、PHPなど複数のプログラミング言語に対応しており、人間の代わりにコードを生成することができます。そのため、エンジニアが仕事をする際にも活用することができる生成AIです。
また、Claudeは単にコードを生成するだけでなく、日本語のコメントも付け加えてくれます。可読性を意識したコードを生成してくれるため、その点もClaudeの大きな特徴であるといえるでしょう。
ドキュメントや図表などの作成・管理が便利
5つ目は、ドキュメントや図表、コードの作成・管理が便利な点です。
Claudeは、2024年6月21日にArtifactsという機能が搭載されました。Artifactsは、Claudeと対話をしながらより効率的にコンテンツを作成し、管理できる機能のことです。例えば、記事やドキュメント、図表の作成などをチャット履歴とは別に管理・共有することが可能です。これにより、Claudeによって生成された文章の参照元を確認したいときやテキストをコピーしたり、ダウンロードしたりしたいときもチャット履歴を遡らずに素早く確認・共有ができるので、その点も大きなメリットといえます。
Claudeの活用方法4選
このように性能が高くメリットがたくさんある生成AIになるため、Claudeを活用できる場面は複数あります。具体的に活用シーンをピックアップして解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
コンテンツの生成
1つ目は、コンテンツの生成です。
Claudeは、人間が書いたような自然な文章を作成することができるため、生成されたコンテンツをブログやSNSなどに使用することができます。人間がブログの文章を作成する場合、膨大な時間が必要です。また、SNSは投稿頻度を高める必要があるため、1日に何回も投稿のための文章を作成しなければならないという方も少なくないでしょう。
このような場面でClaudeを活用すれば、簡単にコンテンツを生成することができるので、作業負担を大幅に減らすことが可能です。
長文の要約
2つ目は、長文の要約です。
Claudeは、20万トークンの文章の読み取りが可能になるため、長文の要約に対応することができます。例えば、長文の中から重要なポイントを抽出したいときなどに活用することが可能です。また、PDFの読み取りも可能になるため、研究論文のファイルや会議用の資料をアップロードして要点を整理することもできるでしょう。
Pythonコードの生成
3つ目は、Pythonコードの生成です。
エンジニアや個人開発者などPythonコードを打ち込む方も多いですが、『実現したい機能があるがどのように実装すればわからない』という状況に直面するケースは珍しくありません。また、実行時エラーが表示されているときに修正の仕方がわからないというケースや可読性を高めるためにコードをブラッシュアップしたいときもあります。このような場面でClaudeは使用すれば、適切なコードを生成してもらったり、コードを修正してもらったりすることが可能です。そのため、Claudeを使用すれば、エンジニアの作業効率を大幅に向上させることができるでしょう。
Slackと連携したワークフローの構築
4つ目は、Slackと連携したワークフローの構築ができるという点です。
ClaudeはSlackと連携することができるため、Slackの社内ワークフローにClaudeを導入して社内FAQ用のチャットボットを開発したり、会議の議事録の作成や資料の要約など業務支援を実行したりすることもできます。そのため、ワークフローを構築する際にもClaudeを活用することで、業務自動化などさまざまなメリットを獲得することができるでしょう。
Claudeの始め方・使い方
ここでは、Claudeの始め方や使い方について解説します。どのように始めればいいのかわからない方や使い方について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
Claudeを始めるまでの手順
Claudeを始めるためには、まずログインをする必要があります。具体的な手順は下記の通りです。
1.まずは、Claudeの公式サイトにアクセスする必要があります。そのため、下記のURLをクリックして公式サイトに遷移してください。
2.公式サイトにアクセスするとログインを促されます。Googleアカウントもしくはメールアドレスのどちらかでログインすることができるので、自身に最適なログイン方法を選択してください。今回の解説では、Googleでログインすることを選択しています。
3.アカウントを作成することができたら、下記のようなプロンプトを送信できる画面に遷移します。
4.これでアカウント登録の方法の解説は以上です。
Claudeで文章を生成するまでの手順
次は、Claudeを利用して使い方を解説していきます。実際に文章を生成してもらうまでの手順は下記の通りです。
1. Claudeを利用して文章を生成してもらうためには、プロンプトを作成する必要があります。今回は、Claudeの概要についての文章を生成したいので、『Claudeについて日本語で文章を作成してください。』と入力しました。
2.Enterを押すと下記の画像のようにClaudeから文章が生成されます。
3. これでClaudeを使用して文章を生成するまでの手順の以上です。
Claudeを使用する際の注意点について
Claudeを使用する際にはいくつかの注意点を把握しておくことが重要です。具体的に注意すべき点について解説しますので、これからClaudeを使用する方は、ぜひチェックしてみてください。
事実と異なる情報を生成する場合がある
1つ目は、事実と異なる情報を生成する場合があるという点です。
Claudeに限った話ではありませんが、生成AIは学習しているデータの中に誤りがあると間違った情報を生成してしまう可能性があります。これを専門用語でハルシネーションといいます。
そのため、特にブログやSNSでClaudeから生成された文章をそのまま使用するという方は、必ず人間の目で事実確認を行う必要があります。また、プロンプトを工夫してできるだけハルシネーションリスクを下げるようにすることで、文章を生成する前に対策することも可能です。
機密情報をアップロードしないように注意する
2つ目は、機密情報をアップロードしないように注意することです。
Claudeは文章の要約に使用する機会も多くなります。そのため、会議資料などをClaudeにアップロードする方も少なくありませんが、会議資料の中には社外に知られたくない情報が含まれるケースもあります。Claudeはユーザーから提示される情報を学習してしまうため、そのような資料をアップロードしてしまうと機密情報などが漏洩する可能性があります。
特に、顧客情報の漏洩などは重大なトラブルに発展してしまうケースもあるため、必ず機密情報や顧客情報が含まれないか確認した上でClaudeを活用するようにしましょう。
ChatGPTで使えるプラグイン機能は存在しない
3つ目は、プラグイン機能が存在しないという点です。
ChatGPTなどはプラグイン機能があるため、活用すれば生成AIに機能を追加することができます。しかし、Claudeには存在しないため、有料プランへの加入を検討している人は、そのようなデメリットもしっかりと把握した上で契約するのがおすすめです。
まとめ
今回は、Claudeの概要や特徴、使い方について詳しく解説しました。Claudeは、読み込める文章量が多く、長文の要約などに活用しやすいです。また、プログラミング言語にも対応しているため、エンジニアなども利用しやすいでしょう。しかし、Claudeはユーザーから送信されたデータを学習する習性があるので、情報漏洩に対してはしっかりと対策した上で運用するのがおすすめです。
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