AIはさまざまな業界に大きな影響を与え、業務を大幅に効率化させたり、コスト削減や人手不足を解消したりしています。AIといえば、テキストの生成や業務自動化などを想像する方も多いですが、デザインの分野においてもAIの影響は凄まじいものといえるでしょう。
例えば、デザイン制作にAIを活用することでテキストを入力するだけで画像やイラストを生成してもらうことができます。また、写真の背景を削除したり、編集したりすることも可能です。本来、人間がやるべき作業をAIが代わりに対応しているため、作業効率の向上や時間の削減などさまざまなメリットを獲得することができます。そのため、実際にデザイン制作でAIツールの活用を検討している方も多いのではないでしょうか?
デザイン制作ができるAIツールは複数あり、事前にさまざまな製品を知っておくことでご自身に最適なものを選択することができます。
そこで、今回はデザイン制作におすすめのAIツールを9製品ご紹介します。
目次
デザイン制作にAIツールを活用する3つのメリット
デザイン制作におすすめのAIツールを紹介する前に、実際に活用することでどのようなメリットを獲得できるのかについて解説します。早速、それぞれのメリットについて詳しくチェックしていきましょう。
作業効率の向上
1つ目のメリットは、作業効率の向上です。
デザイン制作にAIツールを活用すれば、デザイナーの代わりにAIが画像やイラストを作成してくれます。これにより、作業効率が大幅に向上するため、今まで以上に案件を受注することができたり、コストを削減できたりするでしょう。
人の心に訴えるデザイン制作が可能
2つ目のメリットは、人の心に訴えるデザイン制作ができるという点です。
例えば、AIツールを活用すれば、ヒートマップを活用して自社の製品を検討する消費者の好みのデザインを性別や年代別から分析することができます。これにより、自社製品が多く売れるような広告デザインやWebデザインを制作することが可能です。
デザイナーがデザインを制作するよりもデータを重視して消費者が好みそうなデザインを採用することができるので、AIツールを活用すれば売上アップなどにも貢献してくれる可能性があるでしょう。
ほかのデザイナーとの差別化
3つ目のメリットは、ほかのデザイナーと差別化を図ることができるという点です。
デザイン制作にAIツールを活用すれば、業務が効率化されるため、本来デザイナーが行うべき業務をAIに代行することができます。これにより、デザイナーはAIができない業務のみに集中することが可能です。
最初から最後までデザイナーが対応するデザイン制作よりもAIツールを活用したほうが時間の使い方が効率的になり、個性を発揮することにだけ集中することができるので、ほかのデザイナーと差別化を図ることができるでしょう。
デザイン制作におすすめのAIツール9選
早速、デザイン制作におすすめのAIツールをご紹介します。それぞれのAIツールで特徴や任せられる作業内容が変化しますので、チェックしてご自身に合ったものを選択するようにしてください。
DE signify
公式サイト:https://www.designify.com/
DE signifyは、写真加工に特化したおすすめのAIツールです。簡単にいえば、画像の背景を自動で編集してくれるAIツールになります。
DE signifyは、Web上に画像をアップロードするだけで、アレンジされた背景画像を選択できるようになります。例えば、真っ白になった背景や透明の背景、背景をビーチや山に変更した画像などを選択することができます。
デザイン制作では、被写体だけを切り取り背景を透明にする作業を行う機会も多いですが、DE signifyを活用すれば、AIが代わりに切り抜き作業を行ってくれます。実際に、業務の中で活用すれば、作業効率を大幅にアップさせることができるので、画像の背景を編集する機会が多い方は活用するのがおすすめです。
Genius
公式サイト:https://www.genius.design/
Geniusは、Figma上でUIデザインを提案してくれるおすすめのAIツールです。ユーザーがFigma上でデザイン操作をすることで、AIがそれを学習します。そして、デザインの内容を理解して、デザインの構成要素を使用して自動で配置の提案を行ってくれるAIツールです。
デザイン制作に活用できるAIツールの中には、テキストからデザイン制作を行ってくれるサービスも多いです。しかし、Geniusは人間がテキストなどで指示する必要がないという点が大きな特徴になります。アプリケーション開発を行っており、UIデザインを制作する機会があるという方は、Geniusの活用がおすすめです。
Ando
公式サイト:https://www.figma.com/community/plugin/1145446664512862540/ando-ai-copilot-for-designers
Andoは、Figma上でテキストや図形などをもとにAIが画像を生成してくれるAIツールです。テキストから画像を生成するAIモデル『Stable Diffusion』を搭載したAIツールで、作成したい画像をイメージしてそれに最適な単語を伝えることで、AIツールが画像を生成してくれます。制限は設けられていますが、無料プランも提供されているため、気軽に始められる点も大きな魅力です。
Andoは、画像を生成するだけでなく、ブラッシュアップも可能です。例えば、画質の悪い画像を補正してぼやけなどを除去することができます。また、画像の背景を消すことができたり、トリミングしたりすることもできるので、画像編集の機会が多い方にもおすすめのAIツールです。
Magician
公式サイト:https://magician.design/
Magicianは、テキストを入力することでアイコンや画像を生成することができるAIツールです。具体的には、アイコンの生成やコピーライティング、画像生成、レイヤー名の自動作成ができるAIツールになります。アイコンはベクターデータで生成されるため、自由に編集ができる点が特徴です。一方、画像はベクターデータが使用されず、画像として出力してくれます。
Magicianは、無料の公開ベータ版が使用可能です。そのため、有料プランに加入せずに活用することができます。特に、AIツールを活用してデザインの幅を広げたい方や創造力を高めるための機能が搭載されたAIツールを使用したいという方におすすめです。
Midjourney
公式サイト:https://www.midjourney.com/home
Midjourneyは、AIが短時間で絵を制作してくれるAIツールです。生成したい絵のキーワードをAIに与えることで、それにマッチする画像を生成してくれます。例えば、「ハワイのビーチ」と入力して送信すると、ハワイのビーチの絵が自動で制作されるのです。
Midjourneyは、ほかの画像生成AIツールとは異なり、非常に芸術的なアートを制作できるという点が特徴です。実際に、Midjourneyで制作した絵が美術コンテストで優勝したり、イラストが発売されたりするなどしています。デザインに芸術性が求められるデザイナーは、Midjourneyの活用がおすすめです。
Dream Studio
公式サイト:https://beta.dreamstudio.ai/generate
Dream Studioは、画像生成AI『Stable Diffusion』が搭載されているAIツールです。無料でWebサイトから利用することができるため、使いやすい点が大きな特徴になります。
Dream Studioは、写真風や手書き風など、画像のテイストが選択できるので、ニーズにマッチしたデザイン制作が可能です。また、無料で約125枚も画像を生成することができるため、プレミアムプランに加入しなくても十分に楽しむことができます。デザイン制作で画像を生成する機会が多い方やStable Diffusionを気軽に試したいという人におすすめのAIツールです。
Text to Image
公式サイト:https://www.canva.com/ja_jp/ai-image-generator/
Text to Imageは、その名の通りテキストから画像を生成するAIツールです。CanvaのAI画像生成機能となっており、単語やフレーズを画像に変換してくれます。例えば、『男性のイラスト アニメ』と入力すると、アニメの男性キャラクターがデザインされるイメージです。
Text to Imageを使えば、製品やサービスのアイデアを視覚化することができます。また、デザインをする際の創造力をサポートしてもらうことも可能です。さらに、水彩画やフィルム調など画像のスタイルを選択することもできるため、デザインのコンセプトに合わせた画像を生成してもらうこともできます。機能が豊富なAIツールなので、効率的にイラストや写真を生成したいという方におすすめです。
Luma AI GENIE
公式サイト:https://lumalabs.ai/genie?view=create
Luma AI GENIEは、3Dモデルを自動で生成することができるAIツールです。約10秒以内に4つのモデルを制作することが可能で、生成速度が速いことも大きな特徴のひとつになります。また、異なるスタイルから好みのものを選択できるという点もメリットです。
Luma AI GENIEは、無料で使用することができるAIツールです。キーワードを入力すると自動でAIツールがそれに合った3Dモデルを作成してくれます。また、生成した3Dモデルはfbxやblend、objなどさまざまな形式でダウンロードすることが可能です。
Luma AI GENIEを活用することで、3Dモデル制作の手間を大幅に削減することができます。また、さまざまなファイル形式に対応しているため、Luma AI GENIEから生成した3Dモデルを下書きとして使用し、そこから編集してオリジナリティを加えていくことも可能なため、普段から3Dモデルを作成する機会がある人におすすめのAIツールです。
Huemint
公式サイト:https://huemint.com/
Huemintは、グラフィックデザイン用のカラーを生成することができるAIツールです。メインカラーやアクセントカラー、背景色など実際のイメージを確認しながらカラーを選択することができます。
Huemintは、Webデザイン制作をする方やデザイン性の高い配色を行いたい人におすすめのAIツールです。
デザインにAIツールを活用する際の注意点
AIツールを活用してデザイン制作を行えば、AIが画像を生成してくれたり、編集してくれたりするので、非常に便利です。しかし、デザイン制作にAIツールの活用を検討している方は、あらかじめ注意点を把握しておく必要があります。ここでは、どのような点に注意すればいいのかについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
著作権に十分注意する
1つ目は、著作権への配慮が必要であるという点です。
AIツールは、画像を生成する際、インターネット上にある写真やイラストを参考にしている可能性があります。もし、AIツールが生成した画像がほかの作品と類似している場合、著作権侵害になる恐れもあるでしょう。そのため、AIツールで生成した画像を使用するときは、ほかに類似する作品がないか確認した上で活用するのがおすすめです。
バイアスや差別的な表現に注意する
2つ目は、AIツールにはバイアス、差別的な表現の問題があるという点です。
デザイン制作に活用できるAIツールは、プロンプト内容を理解した上で学習データから画像を生成しています。そのため、学習データそのものにバイアス、差別的な表現がある場合、生成される画像にもそのような内容が含まれる可能性があるでしょう。
もし、そのようなデザインが採用されている画像を使用してしまった場合、企業は顧客などから信頼低下を招きます。そのため、必ず確認した上で倫理的な視点から判断する必要があります。
人間らしさの欠如を補う
3つ目の注意点は、人間らしさの欠如をデザイナーが補う必要があるという点です。
AIツールは完璧なツールではなく、人間らしさに欠ける表現をするときもあります。そのようなデザインは、人間から見ると不自然になるため、その都度デザイナーが適切なデザインに変更する必要があります。生成された画像をそのまま使うのではなく、必ず人間の目で確認してから使用するのがおすすめです。
制作者自身の感性も大事にする
4つ目の注意点は、制作者自身の感性も大事にすることです。
AIツールは、学習したデータからプロンプトに沿って画像を生成するため、既存のデザインや過去のトレンドに基づいて提案を行います。そのため、ほかのイラストや写真と似たようなデザインになる可能性もあるでしょう。
一方、デザイン制作は常に新しさや独自性が求められるため、AIツールが生成したデザインに頼りすぎてしまうと本来デザイナーが持つセンスや個性が失われてしまいます。そのため、AIツールを活用する場合でもクリエイティブなセンスは大事にしてデザイン制作をするのがおすすめです。
まとめ
今回は、デザイン制作におすすめのAIツールを9つご紹介しました。AIツールを活用してデザインを制作すれば、作業効率の向上などさまざまなメリットを獲得できます。しかし、AIツールはインターネット上にあるイラストや写真を参照している可能性があるため、著作権に関しては十分に注意するようにしてください。
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