ChatGPT3.5とChatGPT4.0の7つの違いとは!?徹底解説
ChatGPTは、AI自体が保有する情報量が多く、さらに柔軟性が高いため、世界で注目されているAIチャットボットです。その情報量は、ペンシルバニア大学経営学修士課程の最終試験でB評価を獲得するほどといわれており、能力の高さが伺えます。
また、ChatGPTは単にWebアプリケーションを通して人間の質問に回答するだけでなく、プログラムに組み込むことも可能です。OpenAIは有料でAPIを提供しており、Pythonなどさまざまなプログラミング言語からChatGPTの機能が使えるようになっています。これにより、カスタマサポートなどあらゆる利用の仕方が可能で、非常に柔軟性の高い対話型AIです。
すでにChatGPTは利便性が高く、非常に優秀ですが、ChatGPT4.0の登場によりさらに能力が向上し、便利に利用できるようになりました。実際に、従来のChatGPT3.5と最新のChatGPT4.0にはどのような違いがあるのか知っておきたいという方もいるのではないでしょうか?
今回は、ChatGPT3.5とChatGPT4.0の概要を説明した上で、それぞれの違いについて詳しく解説します。
目次
ChatGPT3.5とChatGPT4.0の概要について
はじめに、ChatGPT3.5とChatGPT4.0の概要についてご紹介しますので、まだ詳細を把握しない方は、ぜひ参考にしてください。
ChatGPT3.5とは?
ChatGPT3.5とは、OpenAIが2022年11月30日にリリースした大規模言語モデルバージョンです。ChatGPTは、ChatGPT3.5を微調整して公開された対話型AIになります。
元々、OpenAIはGPT-3とCodex APIに編集と挿入機能を持たせたtext-davinci-002とcode-davinci-002という名前で大規模言語モデルを公開していました。その2つのモデルに対して少し修正を加えて運用されるようになったのがChatGPT3.5です。
ChatGPTの知名度が向上しているときに採用されていた言語モデルであり、多くの人が手に取っています。また、現在でも無料で利用することが可能です。
ChatGPT4.0とは?
ChatGPT4.0とは、OpenAIが開発したマルチモーダルな最新の大規模言語モデルです。2023年3月14日に初版がリリースされ、すでに多くのユーザーに利用されています。
然言語処理にTransformerを採用しており、大規模なニューラルネットワークの学習及び人間のフィードバックからもたらされる強化学習によって前身の3.5よりも性能が向上しているモデルです。
どのようにすれば利用できる?ChatGPT4.0の使い方
ChatGPT4.0は、OpenAIにユーザー登録しただけでは利用することができません。ここでは、具体的にどのようにすれば使えるのかについて解説します。
ChatGPT4.0を利用するために必要なこと
ChatGPT4.0を利用するためには、ChatGPT Plusに登録する必要があります。ChatGPT PlusはOpenAIが提供している有料プラン及びサブスクリプションサービスです。月額20ドル、年間240ドルで利用することができます。
有料プランに登録すれば、単にChatGPT4.0を利用できるだけでなく、サーバーが混雑しているときもスピーディーな利用が可能です。また、AIモデルを恋人や友人など、任意のものに設定することができるため、無料版よりも利便性高くかつ柔軟に利用することができるようになります。従来の大規模言語モデルよりも自由さが増すため、興味がある方は公式ホームページから料金や機能の詳細をぜひチェックしてみてください。
ChatGPT4.0を利用するまでの具体的な手順
ChatGPT4.0を利用するためには、OpenAIが提供している無料プランに加入する必要があります。具体的な手順は下記の通りです。
1.まずは下記のURLからChatGPTにアクセスします。会員登録をしていないという方は、『ChatGPTとは?便利な使い方や使用上の注意点も解説』を参考に会員登録を行いましょう。
2.画面の中央に『GPT-3.5』、『GPT-4.0』のタブがあります。有料プランに加入していない人は、『GPT-4.0』に鍵がかかっている状態です。そこにマウスカーソルを当てるとChatGPT Plusに登録するように促されますので、下部の『Upgrade ChatGPT Plus』のボタンをクリックしてください。ちなみに、画面中央からだけでなく、サイドメニューの『Upgrade to Plus』から有料プランに加入することもできます。
3.現在選択中のプランが表示されます。有料プランに切り替える場合は、左に記載されたChatGPT Plusの『Upgrade to Plus』ボタンをクリックしてください。もし、ボタンが表示されず、Your current planとなっている場合は、すでに有料プランに加入している状態になっているので、ChatGPT4.0を使用するために、新たに契約する必要はありません。
4.支払いのためのクレジットカード登録画面に遷移します。料金をご確認の上、カード情報やカード所有者名、住所など必要事項を明記し、最後に『申し込む』ボタンをクリックしてください。
5.現時点では年間契約などの項目はないため、すべて月額で請求される仕組みです。先ほどのクレジットカード登録画面の『申し込む』ボタンをクリックすれば、その日からChatGPT4.0の使用を開始することができます。これで具体的な登録手順は以上です。
ChatGPT3.5とChatGPT4.0の7つの違い
ChatGPT3.5とChatGPT4.0には、大きな違いが7つあります。違いを知ることで、どのぐらい性能が進化しているのかなどを把握することができるので、ぜひ参考にしてください。
①マルチモーダルかどうか
1つ目は、マルチモーダルかどうかです。
マルチモーダルとは、テキストや画像、数値、音声など複数のデータを組み合わせて処理することができるAIモデルのことです。つまり、マルチモーダルAIはテキストだけでなく画像なども扱えるようになるという意味になります。
ChatGPT3.5の場合、処理できるデータはテキストや数値のみとなっていました。そのため、画像などを処理することはできませんでした。しかし、ChatGPT4.0はテキストだけでなく、画像も扱うことができます。
例えば、画像を提示することで、どのような画像なのかを理解することができたり、それに対して説明したりすることも可能です。また、公開されているWebサイトのキャプチャを撮影してそれと一致するHTMLやCSSなどを出力させることもできます。もちろん、すでに公開されているホームページと同じものを作成することは著作権上好ましくありませんが、ChatGPT4.0の画像に対する理解度がどのぐらい高いのかを伺い知ることができるでしょう。
②知識量や思考力の違い
2つ目は、知識量と思考力の違いです。
OpenAIは、ChatGPT4.0の技術性能をわかりやすく示すために、『GPT-4 Technical Report』を公開しています。この資料によれば、ChatGPT4.0は統一司法試験の模擬バージョンに合格し、さらに上位10%のスコアを獲得していると報告されています。ChatGPT3.5は下位10%の成績となっているため、ChatGPT4.0の性能がどのぐらい優秀なのかを知ることができるでしょう。
③創造性の違い
3つ目は、創造性の違いです。
従来の言語モデルである3.5においても十分に創造性が高く、対話型AIとして非常に優秀です。しかし、ChatGPT4.0はそれを凌駕する創造性を保有しているといわれています。そのため、複雑な質問に対しても柔軟に適切な回答を生成することができたり、より人間の回答に近いテキストを得られたりするのです。
④安全性の違い
4つ目は、安全性の違いです。
ChatGPT4.0は、強化学習アルゴリズムを改良したRLHFを採用しています。また、新しくルールベースの判別器が備わったため、安全な回答を生成しやすい大規模言語モデルです。
一方、ChatGPT3.5は、回答の安全対策を後から付け加えた形で運用されていました。そのため、回答の安全性において十分ではなかったのです。つまり、ChatGPT4.0は元々安全対策が組み込まれている大規模言語モデルであるのに対して3.5は後で応急処置を加えて安全性を担保するようにしたモデルであるといえるでしょう。
OpenAIが公開した『GPT-4 Technical Report』では、ChatGPT3.5が有害のある回答を生成する確率は6.48%であるのに対して、ChatGPT4.0は0.73%であると述べられています。この結果を見ればわかるように、ChatGPT4.0の安全性は非常に高いものであるといえるでしょう。
⑤正確性の違い
5つ目の違いは、正確性です。
OpenAIが公開した『GPT-4 Technical Report』によるとChatGPT4.0がHallucinationを回避する確率は従来の3.5に比べて高くなっていると報告されています。
HallucinationはAIの幻覚を意味し、さらにHallucinationはオープンドメインとクローズドドメインに分類されるとOpenAIは公表しています。オープンドメインは、入力された特定のコンテキストを参照せずに間違った回答を答えてしまう幻覚のことです。一方、クローズドドメインは、特定の範囲内から情報を収集して回答しなければならないのにもかかわらず、範囲外から情報収集もしくは情報を作成し、意図しない回答を生成してしまう幻覚を意味します。
『GPT-4 Technical Report』の中でChatGPT4.0は3.5に比べてオープンドメイン幻覚を回避する確率は19%、クローズドドメイン幻覚を回避する確率は29%高くなると報告しており、従来の大規模言語モデルに比べて正確性が担保されていることがわかります。
⑥処理能力
6つ目の違いは、処理能力の高さです。
ChatGPT3.5は、約5,000文字の処理性能を保有している大規模言語モデルです。一方、ChatGPT4.0は約25,000文字までテキスト処理が可能になりました。これにより、長いコンテンツの生成や文章解析ができるようになったので、従来のモデルに比べて利便性が非常に向上しています。
⑦料金
7つ目の違いは、料金です。
先ほど、ChatGPT4.0の使い方の見出しでもご紹介した通り、ChatGPT4.0は有料プランに加入することで使用可能な言語モデルになります。そのため、月々一定の料金を支払わなければなりません。
一方、ChatGPT3.5はOpenAIが提供しているAPIを利用しない場合、無料で利用することができます。そのため、両者には料金にも大きな違いがあるといえるでしょう。
ChatGPT4.0の注意点とは!?
ChatGPT4.0は、従来の大規模言語モデルに比べて非常に性能が高くなっています。しかし、すべてにおいて完全ではないため、これから業務の中などで活用したいと考えている人は、いくつかの注意点を把握しておくことが重要です。具体的にどのような点に注意を払えばいいのか解説しますので、これから利用する人はぜひチェックするようにしましょう。
情報の鮮度はChatGPT3.5と同じ
1つ目は、情報の鮮度です。
ChatGPTは、2021年9月までの情報を保有しているAIチャットボットとして知られています。つまり、それ以降のデータは保有していないため、最新の情報をChatGPTへ聞いても正しい回答を得ることはできません。それは、ChatGPT3.5に限った話ではなく、ChatGPT4.0も同様です。
大規模言語モデルのバージョンがアップすれば、最新の情報に対応してくれるということはないので、その点は注意するようにしましょう。
すべての情報が正確であるというわけではない
2つ目の注意点は、情報の正確性です。
ChatGPT4.0はHallucinationを従来のバージョンよりも回避することができるため、情報の正確性が増します。しかし、生成されるすべての回答が正しいと断言することはできません。
例えば、プログラミング言語に関するコードを聞いたときに本来その言語やフレームワークのリファレンスにない関数やメソッドが書かれた回答を目にするケースは珍しくありません。また、店舗情報を聞いた際に架空の店舗を伝えられることも多いです。そのため、聞く内容によって情報の正確性が十分に担保されていないケースもあるでしょう。
ChatGPT4.0が生成したテキストをWebサイトや資料等で使用するときは、従来バージョンと同様に、必ず人間による目視のチェックを行った上で公開・配布することが重要です。
すべて安全の回答が得られるわけではない
3つ目の注意点は、生成される回答がすべて安全であるとは限らないという点です。
ChatGPT4.0は、従来の大規模言語モデルに比べて安全性は向上していますが、必ず不適切な内容や攻撃的な回答を生成しないと断言することはできません。そのため、ChatGPT4.0から生成される文章を活用する際は、安全性に関しても必ず人間によるチェックが必要になります。
まとめ
今回は、ChatGPT3.5とChatGPT4.0の違いについて詳しく解説しました。ChatGPT3.5でも非常に性能が高いですが、ChatGPT4.0に切り替えることで、安全性や正確性、処理能力などを向上させることができます。また、マルチモーダルに対応することができるため、画像に写されたものを把握してもらったり、その画像に対して説明してもらったりすることも可能です。
しかし、ChatGPT4.0にバージョンアップした場合でも生成される回答は完全ではありません。Webサイトなどで生成された回答を使用する場合は、必ず人間の目視によるチェックが必要になります。また、入力した内容は学習される可能性があるため、個人情報などを含むプロンプトの作成は控えるようにしてください。
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