ChatGPTは、AIチャットボットですが、そのほかにも活用法が多岐にわたります。例えば、質問をすればテキストを生成することができるため、ブログ記事に使用することが可能です。また、商品説明文やメルマガなど幅広い活用シーンを挙げることができるでしょう。
このように、ChatGPTから生成されたテキストをブログなどに使用する機会も多いため、著作権がどこに帰属しているのかを知りたいという方もいるのではないでしょうか?実際に著作権侵害をしてしまうと刑事罰と民事賠償の両方を課されることもあります。
そこで、今回はChatGPTの著作権はどこにあるのか、安全な使用方法について解説します。
目次
ChatGPTと著作権について
ChatGPTと著作権の概要は下記の通りです。
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、米国にあるOpenAIが開発した対話型AIです。自然言語処理を用いて、コンテンツの生成や質問に対する応答を行います。とても精度が高く、日本でも使用することができるため、非常に人気が高いです。
また、ChatGPTは一般向けにはWebアプリケーションとしてサービスが提供されていますが、そのほかにもOpenAIはAPIも公開しています。APIを使用することで、PythonなどのプログラムからChatGPTの機能を使用できるため、社内のオンプレミスシステムに導入したり、運用するアプリケーションと連携したりすることも可能です。
ChatGPTの基本概要は、『ChatGPTとは?便利な使い方や使用上の注意点も解説』でご紹介していますので、さらに知りたいという方は、ぜひアクセスしてみてください。
著作権とは?
著作権とは、自分の気持ちや考えを作品した著作物の権利を守るための法律です。著作物の代表例としては、映画や写真、音楽、美術、漫画、小説などが挙げられます。
他人の作成したものを勝手に使用してはならず、使用が許可されている場合でも作成者のルールに従う必要があります。例えば、自分が作成したイラストを他人が許可なく使用した場合、それは著作権法違反になります。
著作権に違反した場合、内容や状況によっても異なりますが、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に科されることがあります。そのため、コンテンツを制作する人は、他人の著作物をコピーしてはならず、もし許可を得ている場合でもルールに従うことが重要です。
ChatGPTの著作権はどこにあるのか?
ChatGPTは、質問に対してコンテンツを生成します。その文章を使用する場合、誰に著作権が帰属するのでしょうか?
音楽や小説、漫画など人間によって制作された作品とは異なり、ChatGPTのコンテンツはAIが生成しています。AIは人間とは違い思想や感情を持たないため、AIによって生成されたコンテンツは著作物とはならない可能性が高いです。
また、ChatGPTはオープンソースの人工知能モデルです。ChatGPT自体はOpenAIに著作権が帰属しますが、ChatGPTが生成したテキストの著作権はユーザーに帰属します。そのため、ブログを書くときに、ChatGPTに質問をしてその文章をそのまま使用してもそれ自体は著作権侵害にならない可能性が高いです。
しかし、ChatGPTはインターネット上にある情報を収集して適切な回答をユーザーに提示します。そのため、情報源に著作権があるというケースも少なくありません。例えば、ChatGPTが取得したテキストAをそのまま回答として提示し、ユーザーがその文章をブログ等で使用した場合、著作権の侵害に該当する可能性があります。そのため、ChatGPTが生成したコンテンツをそのまま使用することは可能な限り避けるべきです。
ちなみに、著作権侵害を成立させるためには、あくまでも故意である必要があります。例えば、他人が使用していた音楽をそのままYouTubeで使用する場合、その音楽が著作物として知っておりその上で使ったことが証明されなければなりません。
実際に知っていてわざと使用してしまうと著作権法違反になります。一方、まったく知らなかった場合は罪に問われるケースは少ないです。例えば、音楽など作品を見ないとコピーできない場合、過失であると反論するのには無理があります。しかし、ChatGPTの場合、情報源がわからずに故意ではなくそのままテキストを使用してしまうことはあるでしょう。
ChatGPTは非常に新しいサービスです。日本では認知度が高まっていますが、一般市民の生活まで広く浸透しているかわかりません。そのため、実際に著作権侵害で法的な問題になったケースは少ないのが現状です。ChatGPTから生成されたコンテンツを使用する場合は、今後の動向に合わせて適切に対応することが求められるでしょう。
著作権に配慮してChatGPTを安全に使用できる範囲
著作権に配慮してChatGPTを安全に使用できる範囲は3つあります。ご紹介する3つ以外でChatGPTを使用すると著作権侵害になるというわけではありませんが、このような使い方をすることで、最大限リスクを回避することが可能です。
学習
自分で何かを勉強するときにChatGPTを活用すれば、著作権侵害を意識せずに使用可能です。例えば、勉強している最中に何かわからないことが出てきたら、ChatGPTに直接聞いて学習のサポートを受けることができます。ChatGPTは『小学生がわかるように』など質問に工夫を加えることで理解しやすい文章に変換して説明してくれます。そのため、教科書の中でわからないことがあったときも活用しやすいです。
また、ChatGPTは語学学習に使用すると利便性が高いでしょう。例えば、1つの英単語から例文を作ってもらったり、例文と訳文を表示させたりすることも可能です。
学習目的で使用すれば、ChatGPTが生成するテキストをほかに転用する機会がないため、安全に使用することができます。
コンテンツ制作の参考資料
コンテンツ制作の参考資料として活用すれば安全の範囲内でChatGPTを活用できます。例えば、ブログやSNSの投稿文などで何かの情報を発信する機会も多いです。ChatGPTが登場する前はわからないことなどをGoogleなどの検索エンジンで調べて参考にするのが一般的でした。しかし、ChatGPTが認知されるようになってからは、AIの生成コンテンツを参考資料として活用できるようになっています。
自分がコンテンツ制作を行う際にわからないことをChatGPTに聞きます。例えば、『〇〇について教えてください。』と聞くと情報を提示してくれるので、それを参考にコンテンツを書くことが可能です。
しかし、後述しますが、あくまでも参考にするということが重要です。そのままコピーすると著作権侵害になる可能性もあるため、注意するようにしましょう。
メールの作成
ChatGPTにメール作成のいくつかの条件を提示することで、メールの文章を作成してもらうことができます。メールの文章はインターネット上等に公開されるものではなく、あくまでも当事者同士で交わすケースが一般的です。そのため、ChatGPTが生成した文章を参考にしてメールを作成することは著作権侵害になりません。
しかし、メールの文章自体は、作成者に著作権が帰属します。また、複数人で作成した場合もその組織に帰属するため、他人のメールをそのまま転用することはできません。
また、メールの文章はそもそも公開されるべきではありません。そのため、他人のメールの取扱いには注意するようにしましょう。
ChatGPTの著作権侵害を回避して安全に使用する具体的な6つの方法
ChatGPTは、自身のみで使用する場合、著作権を気にせずに使用可能です。しかし、いくつかのポイントに気を付けて活用すれば、ブログコンテンツなどさまざまなシーンで活用することができます。具体的に、著作権侵害を回避して安全に使用する方法を6つご紹介しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTの文章をコピーして使用しない
1つ目は、ChatGPTの文章をコピーして使用しないことです。
ChatGPTから生成されたコンテンツの著作権は、ユーザーに帰属します。しかし、ChatGPTが生成するコンテンツ自体に著作権が存在することもあります。この場合、ユーザーがそのまま生成されたコンテンツをブログ等に転用してしまうと、著作権侵害になる可能性が高いです。
このトラブルを回避するためには、引用でない場合、ChatGPTから生成されたコンテンツをそのまま転用しないことです。あくまでも情報を参考にするというスタンスに留め、ブログなどのコンテンツで使用するときは、自分の言葉に変えて使用するようにしましょう。また、ChatGPTのみのテキストだけを参考にするのではなく、検索エンジンも活用してさまざまな情報源からコンテンツ制作を行うのがおすすめです。
人権とプライバシーを尊重する
2つ目は、人権とプライバシーを尊重することです。
ChatGPTは非常に優秀なAIチャットボットであり、世界中で使用されています。しかし、ChatGPTのコンテンツが必ず人権侵害等を排除しているという保証はありません。また、表現が個人のプライバシーを侵害する恐れもあります。例えば、差別表現や過激な表現、個人情報に関する表現などが挙げられるでしょう。
もし、ChatGPTが生成したコンテンツの中に人権侵害やプライバシー侵害の表現が含まれており、そのまま自身のコンテンツに使用してしまうと信頼が低下する恐れがあります。そのため、コンテンツで使用する場合は、必ず確認した上で使用することが求められるでしょう。
情報の正確性を担保する
3つ目は、情報の正確性を担保することです。
ChatGPTから生成されたコンテンツを安全に使用するためには、情報の正確性を確認することが求められます。なぜなら、生成されるすべてのコンテンツに間違いがないとは言い切ることができないからです。
ChatGPTはあくまでも蓄積された情報源をもとにユーザーの質問に対して回答しています。そのため、もし情報源に誤りがあると、間違った情報をそのままユーザーに伝えてしまう恐れがあります。つまり、正確性を確認せずに使用してしまうと間違った情報を顧客に伝えてしまったりする可能性もあるのです。
そのため、ChatGPTから生成されたコンテンツを使用する際は、まず正確性を確認し、その上でうまく活用するようにしましょう。
商用利用の際は配慮が必要
4つ目は、商用利用をするときは配慮する必要があるという点です。
商用利用はビジネス目的でChatGPTから生成されたコンテンツを使用することを意味します。例えば、「商品の販売サイトでChatGPTが生成したコンテンツを使用する」、「ChatGPTを利用して文章作成サービスや翻訳サービスを提供する」などが挙げられるでしょう。
ChatGPTから生成されるコンテンツの商用利用はOpenAIによって許可されています。そのため、ビジネス目的で使用することは可能です。しかし、商用利用を行う場合は、利用規約に則って使用することが求められます。もし、規約違反を起こしてしまうと、アカウントの停止やサービスの制限、法的措置などの処分が取られるため、十分に注意するようにしましょう。
ChatGPTのコンテンツを引用するときは著作権法32条を遵守する
5つ目は、引用する際、著作権法32条を遵守することです。
著作権法32条は、他人の主張や資料を引用する際の規定を意味します。具体的には、引用する際は、引用元を明らかにすることや加工しないことなどの原則が定められており、これらを適切に守ることが求められます。そのため、ChatGPTから生成されたコンテンツをそのまま引用するときは、ChatGPTの文章を明記していることを示さなければなりません。
APIを利用する場合は利用規約に従う
6つ目は、APIをうまく利用する方法です。
ChatGPTのAPIは、利用規約が明確に定められており、それを守ることで著作権侵害を回避することができます。ChatGPTのAPIは有料になりますが、安全にChatGPTを利用できる方法のひとつです。
まとめ
今回は、ChatGPTの著作権についての概要や安全に利用するための方法について解説しました。ChatGPTが生成するコンテンツの著作権は、ユーザーに帰属します。しかし、提示されるコンテンツ自体に著作権が存在する場合があるので、転用する際は注意が必要です。
OpenAIはChatGPTのAPIを公開しており、APIの利用規約は明確なため、しっかりと守ることで著作権侵害を回避することができます。
今回の記事を参考に、安全にChatGPTを利用してみてください。
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