ChatGPTは、ビジネスシーンや日常生活など、さまざまな場面で広く活用されています。プロンプトを作成して送信すれば、知りたいことなどがChatGPTから返ってくるため、利用者は素早く情報収集することが可能です。また、ChatGPTから得た文章を丸ごと活用することもできるため、プレゼン資料やブログの作成をスピーディーに行えるようになります。
ChatGPTは、文章の作成やプログラミングなど、できることが非常に多いためさまざまなシーンで活用されますが、非常に優秀なAIチャットボットになるため、企業のマーケティング戦略にも利用できます。マーケティングで実施すべき作業はたくさんありますが、その中のペルソナ設定やカスタマージャーニーマップは、ChatGPTを活用することで素早く作成することが可能です。
そこで、今回はペルソナ及びカスタマージャーニーマップの概要を解説した上で、ChatGPTを活用したペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成方法について詳しく解説します。
目次
ペルソナとは?
ペルソナとは、商品やサービスを具体的にどのようなユーザーに向けて開発するのかを定めた人物像のことです。カール・グスタフ・ユングの概念で主にマーケティング領域で使われます。
類似する言葉にターゲットがありますが、ペルソナのほうがより詳細に人物像を設定するという点で違いがあります。ペルソナは年齢や性別、職業など詳細な情報を設定するため、開発する商品やサービスがユーザーのニーズをしっかりと満たすかどうかを確認できる点などがメリットです。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客から顧客になるまでの過程を行動、思考、感情などの項目で分析するための枠組みのことです。
カスタマージャーニーマップでは、まずペルソナを設定します。その後に、行動やタッチポイントなどの縦軸、認知や情報収集などの横軸を決めていくのが一般的です。一見、ペルソナの設定よりもカスタマージャーニーマップの作成は複雑に思えますが、このような作業もChatGPTを活用すれば、自動化できます。
ペルソナを設定することがなぜ重要なのか?
マーケティング戦略においてペルソナの設定は欠かすことができない作業のひとつです。なぜ重要視されるのかについて解説します。
顧客像の統一
1つ目の重要性は、顧客像を統一することができるからです。
一般的に企業が商品やサービスを開発するとき、複数のメンバーでプロジェクトを実行します。そのため、誰に売る商品なのかを明確にし、同じ認識で行動できるようにしなければマーケティング戦略が非効率になってしまうでしょう。
例えば、ペルソナを設定しない場合、すべてのメンバーがユーザー像に対して共通認識を持つことが難しいです。それぞれのメンバーが思い描くユーザー像が異なっているとマーケティング戦略の方向性がバラバラになってしまいます。
一方、ペルソナを設定すれば、社内のメンバーが共通認識を持ってマーケティング戦略を実行することができるようになります。結果的にプロジェクト進行の効率化などのメリットを獲得できるでしょう。
コンセプトが明確になる
2つ目の重要性は、コンセプトの明確化です。
マーケティング戦略を成功させるためには、ターゲットとなるユーザーを絞り込み、そのユーザーのニーズを徹底的に追及する必要があります。それを行うためには、ペルソナの設定は必要不可欠です。
ペルソナを設定することで、コンセプトが絞られます。これにより、訴求力の高い商品やサービスを提供することができるようになります。
客観的に判断ができる
3つ目の重要性は、客観的な視点に立ち、物事を判断することができるという点です。
ペルソナを設定することで、ユーザー像の詳細が見えてきます。これにより、より効果的な戦略をとることができるので、マーケティングの精度が大きく向上するでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成する3つの重要性
ペルソナの設定と同様に、マーケティングを行う際は、カスタマージャーニーマップの作成も非常に重要です。早速、具体的な重要性について詳しく解説します。
顧客の視点を理解できる
1つ目の重要性は、顧客の視点が理解できることです。
カスタマージャーニーマップを作成することで、商品・サービス購入までのプロセスを可視化できます。これにより、顧客が商品・サービスを購入するまでに抱きやすい問題や課題を把握しやすくなるので、改善策の考案に役立ちます。
施策効果の客観的な把握
2つ目の重要性は、施策効果を客観的に把握することができる点です。
カスタマージャーニーマップの作成により見込み顧客から顧客になるまでの一連のプロセスを可視化することができるため、客観的な視点で施策の効果を測定できます。必要に応じて改善等を行うことで、さらにマーケティング効果を高めていくことができるでしょう。
チーム内で認識を共有できる
3つ目の重要性は、チーム内で認識を共有できる点です。
カスタマージャーニーマップを作成することで、プロセスに応じて顧客の行動や思考、感情、課題などをチーム全体で把握することができます。これにより、共通認識を持ってプロジェクトを遂行することができるため、施策のブレなどを抑制することが可能です。
ChatGPTを活用したペルソナ作成方法
ペルソナ及びカスタマージャーニーマップの概要を理解できたところで、ChatGPTを活用したペルソナの作成方法について解説します。具体的にどのように作成すればいいのかがわかるので、ぜひチェックしてみてください。
ChatGPTに年齢や性別等を予測させる
ChatGPTにペルソナを作成してもらうとき、まずはChatGPTにターゲットを伝えて、教えて欲しいユーザーの詳細を提示します。具体的なユーザーの詳細としては、年齢や性別、職種、年収などです。具体的なプロンプト例は下記の通りです。
【プロンプト例】
「ホームページ制作」と検索するユーザーの一番多い年齢や性別、職種、趣味、ライフスタイル、性別を予想してペルソナを設定してください。
【ChatGPTの出力】
検索した意図をChatGPTへ確認する
ChatGPTへそのペルソナが検索した意図を聞くこともできます。検索意図を聞くことで、そのペルソナの悩みや解決したいことなどを理解することが可能です。
検索意図を聞くときは、ChatGPTに提示してもらったペルソナの名前を使い、検索意図を聞くようにします。具体的なプロンプト例は下記の通りです。
【プロンプト例】
田中智子さんが「ホームページ制作」と検索した意図を教えてください。
【ChatGPTの出力】
ChatGPTを活用したカスタマージャーニーマップ作成方法
次に、ChatGPTを活用したカスタマージャーニーマップの作成方法について解説します。
カスタマージャーニーマップの縦軸・横軸を提案してChatGPTに作成してもらう
ChatGPTにカスタマージャーニーマップの縦軸、横軸を伝えることで、カスタマージャーニーマップを作成してもらうことができます。カスタマージャーニーマップは、縦軸や横軸の項目が多いので、それぞれ細かくChatGPTへ伝えなければなりません。そのため、専用のプロンプトを作成する必要があります。
カスタマージャーニーマップの作成のプロンプト例は下記の通りです。自分が作成したいカスタマージャーニーマップに合わせて適宜内容を変更してください。
【プロンプト例】
あなたは、プロのマーケターです。#商品・サービス及び#アウトプットをもとにカスタマージャーニーマップを作成してください。
#商品・サービス
- ・Webアプリケーション開発サービス
#アウトプット
- ・ペルソナはWebアプリケーション開発を検討している企業の責任者
- ・表形式で出力する
- ・1行目はペルソナ
- ・2行目はプロセス
- ・3行目は行動
- ・4行目はタッチポイント
- ・5行目は思考
- ・6行目は感情
- ・7行目は課題
【ChatGPTの出力】
ChatGPTでペルソナ&カスタマージャーニーマップを作成する際のコツ
このように、ChatGPTを活用すれば簡単にペルソナやカスタマージャーニーマップを作成することができます。しかし、ChatGPTはすべて人間の期待する回答を返してくれるわけではありません。プロンプト内容によっては最適な出力を得ることができないこともあるでしょう。そこで、ChatGPTでペルソナやカスタマージャーニーマップを作成する際のコツをご紹介しますので、うまくいかないという方はぜひチェックしてみてください。
適切な回答を得られるように何度も質問する
1つ目のコツは、何度も質問することです。
ChatGPTは従来のチャットボットとは異なり、質問に対して事前に答えが準備されているわけではありません。例えば、従来のチャットボットは『製品が故障したのですが、どのようにすればいいですか?』という質問が事前に用意されており、それに対して『相談窓口に問い合わせをお願いいたします。』というような回答が用意されています。
一方、ChatGPTはAIチャットボットになるため、質問に対して回答が準備されているということはなく、膨大なデータから探し出してChatGPT自身が回答をしています。そのため、同じ質問をしても毎回回答が異なる場合があるのです。
もし、適切な回答を得られない場合は、同じ質問を何回もすることで、人間が期待する回答を生成してくれる可能性があります。そのため、うまくいかないときは、ぜひ試してみるのがおすすめです。
製品やサービス情報をChatGPTに伝える
2つ目のコツは、製品やサービス情報をChatGPTに伝えることです。
ChatGPTに製品やサービスを理解してもらうことで、期待通りのペルソナ及びカスタマージャーニーマップの作成ができる可能性があります。例えば、展開したいサービスや商品と競合し、すでに提供されている他社製品をChatGPTに伝えることで、ChatGPTに商品やサービスの詳細を理解してもらうことが可能です。
しかし、後述しますが、ChatGPTに伝える内容はインターネット上などに公開されている一般的な内容が好ましいです。機密情報をChatGPTに伝えると漏洩の危険性があるので、その点は注意するようにしましょう。
ターゲット情報を豊富に与える
ChatGPTから期待する回答を得るためには、できるだけ多くの情報を与えることが重要です。豊富な情報を含めてプロンプトを作成すれば、ペルソナやカスタマージャーニーマップ作成の精度を向上させることができます。
例えば、ユーザーインタビューやアンケートを読み込ませると多くの情報をChatGPTに提供することができるためおすすめです。
ChatGPTでペルソナやカスタマージャーニーマップを作成する際の注意点
ChatGPTでペルソナやカスタマージャーニーマップを作成する際、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。具体的にどのような点を注意すべきかについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
プライベート情報等はプロンプトの中に含めない
1つ目は、プロンプトの中に含める情報に十分注意をすることです。
ChatGPTは、インターネット上にある情報だけでなく、ユーザーが送信するプロンプト内容も学習するといわれています。つまり、個人情報などを誤って送信してしまうとそれを学習されてしまい、結果的に情報漏洩に至る可能性もゼロではありません。あくまでもChatGPTへ送信する情報は、一般的な情報に留め、外部に公開されていない情報はプロンプトの中に含めないようにしましょう。
期待通りの回答を必ず得られるわけではない
2つ目は、ChatGPTが出力する内容がすべて期待通りの答えにはならないという点です。
ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成を依頼しても想定するようなペルソナにならなかったり、カスタマージャーニーマップの表が期待とは違ったりするケースもあります。想定した通りの回答を得られないときは、『何度も質問する』、『詳細情報を追加する』などの対策が必要です。
トレンド情報への対応は難しい
3つ目は、ChatGPTは情報の鮮度に弱点があるという点です。
ChatGPTは2021年9月までの情報を保有し、その中でユーザーの質問に対して返答を行っています。そのため、トレンド情報など鮮度が求められる質問には対応することができません。
例えば、企業の商品やサービスが2021年9月以前には存在しない新しい技術を用いたものである場合、ChatGPTにペルソナやカスタマージャーニーマップを作成してもらうことは難しいので注意が必要です。
まとめ
今回は、ChatGPTでペルソナやカスタマージャーニーマップを作成する方法について詳しく解説しました。ChatGPTを活用すれば、マーケティング活動で必要なこれらの作業を自動化することができます。効率的にマーケティングを展開していきたい企業は、ぜひChatGPTを活用するのがおすすめです。
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